160.ブラックキャット
次の日、ヨッシー王に地図を渡されたカトリーヌという女性の家を訪ねることにした。
「わしたちもいくのじゃ。」
珍しくユーコとジローが主張してきた。
「歩きになるがいいのか?」
カラ国で決めたように、俺は最近はどこに行くにも、道なき道を進んで、知られざる絶景を探すことを人生の目的にしていたのた。
「王の使いなんじゃろ。汚れた格好では行けんじゃろ。」
「それもそうだな。行くときは馬車にするか。」
こうして、俺達3人がカトリーヌの家の門まで行くと、黒猫が道を塞いだ。
・・・・・・
「神の使いだな。何しに来た?」
「うおっと、猫がいきなり喋っているし、どうなってるんだ?」
「猫ではない。ブラックキャットというきちんとした名前がある。それに喋ってはいない。念波だ。」
「そのブラックキャット様がどうして、そんな問いかけを?」
「とぼけるな。私はただの猫ではない。お前達とは別の『神の使い』だ。」
「なるほど、だけど今回は俺達は神の使いでも何でもない。カトリーヌという女性が病気と聞いたヨッシー王からのお見舞いだ。」
「ヨッシー王? これは失礼した。お忘れになっていると思っていたが、お前達が現れて何かが変わったんだな。」
ブラックキャットはそう言うと、俺達を案内するように前を歩いた。