154.新八との出会い
その後は、サトルさんとユミさんのところに行ってきた。
2人は今、ゴブ達が持ち帰ってきた魔王城の肥料の解析に取り込んでいた。
ちなみに、顕微鏡メガネはユミさんに上げてある。
「リョータ、この肥料はすごいぞ。窒素、リン酸、カリウム、カルシウムとマグネシウムが絶妙に混ざっている。」
「そんなにすごいのか。」
「うん。だけど、純粋に元素(肥料)だから、増やしたり、作ったりはできないな。」
「だったら、定期的に仕入れよう。俺はカラ国に『セトリバー商会』といあものを作って来たので、こちらに支店を作ろう。」
「魔人とは問題ないのか?」
「もともたゴミの山だったんだ。全然問題ない。」
それに何といっても俺には、未だに魔王城から、たくさん結婚式の招待状が来る。
・・・・・・
それから俺は、鑑定メガネで加護スキルの鑑定をして回ったが、どうもこの村には『将軍』持ちはいないようだった。
そして今日もまたがっかりして歩いていると、通りの先のほうで、騒ぎが起こっていた。
「じじい。ぶつかっといて、シカトかよ。」
4、5人の若者が、1人のお年寄りを囲んで因縁をつけているようだった。
「あーあ、骨折してるかも知れないな。どう落とし前をつけてくれるんだ。」
俺が手助けしようと動きだそうかとした瞬間的、
その老人は鋭い眼力で睨んだ後、
「若造がイキがるな」
と一喝し、仕込み杖をリーダー格の首筋に当てて見せたところ、
「ま、まさか、し、新八か!」
といって、皆、退散してしまった。
その後、鑑定メガネでよく見ると、新八さんと呼ばれた老人は『将軍』加護スキル持ちだった。