152.『将軍』の加護スキル
関羽が来てから、ロージアの荒くれどもは雲散霧消してしまったが、城壁の外に住んでいたサロン派のものたちの家はだいぶやられてしまった。
「関羽、助かったよ。」
「いやいや、教え忘れたことがあったんだ。」
「ん?」
「リョータは『将軍』の加護スキルももってるから、使いこなして最強になれ。」
そう言ってから、関羽は100mほど俺から離れて、
「対戦!」
と唱えた。
すると、俺と関羽の間に9x9の81マスが現れた。
1マスは10m角ぐらいだった。
「まずは見本を見せよう。」
そう言って、30mぐらい宙に浮くと、次々に命令をはじめた。
《1の4と5と6に歩兵10。2の5に将軍1》
「まずは基本形だ。俺の前に歩兵が30人。そして、その前に将軍を出した。スキルのレベルに合わせて出せる人数が変わるが、後は勝手に前進んでいく。」
「なるほど、スキルで召喚したNPC通しで戦わせるわけだ。」
「いや、相手はなんでもOKだ。NPC通しでも、人間が相手でも、モンスターでも大丈夫だ。」
「関羽はどれぐらい出せるんだ?」
「それは教えられないが、リョータは将軍レベルが150だから、1500人は出せる。弓隊や壁隊を使いこなせば、かなりの戦力だ。」
「それはすごいな。」
「前世では劉備や張飛もいたので、かなりの強さだったよ。ははははは。」
出せる兵士の数よりも制御できる広さのほうが強さに影響するので、『将軍』の加護スキル持ちが複数いると、それだけで有利ということだった。
・・・・・・
来た時と同じように、関羽は赤兎馬に跨がり、青龍偃月刀を肩にのせて、颯爽と帰って行った。
(しかし、恐ろしいやっだ。)
関羽が珍しくそんな事を言った。
(リョータは気付いていないようだが、やつは『陰陽師』の加護スキルも持っていやがるから、四獣(朱雀、白虎、青竜、玄武)も召喚できる)
そう思いながら、後ろを振り返った。
「もう会うことはないだらう。あばよ。」