151.村への襲撃
カラ国の経験から、俺は城壁の補強に力を入れた。
といっても、城どころかただの村のため、やれることは限られていた。
それでも、村人の半数ぐらいは日々の仕事後に愚痴も言わずに手伝ってくれた。
「リョータ殿のやることに間違いはない。お前達も手伝え。」
手伝ってくれている村人は、手伝わない村人にそう言ったが、
「仕事の後は自由だろ。俺達はサロンに行って楽しく過ごさせてもらうぜ。」
こうして、サロンに行くものたちと行かないものたちの溝がどんどん広がって行った。
・・・・・・
そんなある夜、ロージア国から、新興の荒くれどもが村に襲いかかってきた。
「ユーコとジローは村人を避難させるんだ。ゴブ達は城門を死守しろ!」
如何せん、村人を守らなければならないため、闘える戦力は限られていた。
それに対して、相手どもの総数は100はくだらなかった。
俺独りが城壁の外で戦っていると、カラ国の方角から赤い馬が物凄い速さでやってきた。
「リョータ。ボロボロだな。」
「関羽か。どうして来たのかは知らないが、運の悪いときに来たな。」
俺は、2、3回剣を振って、漸く1人追い払うのが精一杯だったのに、
「ははは、神様に向かって運が悪いか。面白いことを言うな。もちろん、知っててやってきたに決まっているだろう。」
関羽は自慢の青龍偃月刀を一振りするだけで、5、6人の首が飛んでいった。