140.スタンピードの原因
マンガや劇画でも暴力シーンが出てくるが、かなり過激なやつでも現実にはかなわない。
中世の魔女狩りやカトリック狩りなど、その恐ろしさはこの世のものとは思えないほどだ。
しかも、その残酷なシーンを生で公開して行っていたわけだから、当時の人間の感覚と現代人の感覚は比べようがないであろう。
それはそうと、スタンピードの発生の度に、いちいち対応していたのでは、とても堪えらるれものではなかった。
(根本的な解決をしないと・・)
そう考えた俺は、城の中のことはレジスタンス軍に任せて、森のほうに行って見ることにした。
いつも鷹狩りに来ているユーコの案内でどんどん森の奥へと進んで行った。
「なんだ、あれは?」
何やら、生き物らしきものが蠢いている音がした。
「もう少し近づいてみるか」
ゆっくりとその現場に近づいて見ると、ゴミの山の周りにコボルトが大量に発生していた。
「ここは魔王城に近い。あの生ゴミの山は、きっと魔人のゴミ捨て場じゃ。」
ユーコがそう断言するの聞いて、俺は呆れ返った。
「はぁー? 結局、魔人のせいでスタンピードが発生していたのか?」
俺はどうしたものかと考えていると、後ろから、突然声を掛けられた。
「おい、人間、抵抗するなよ。お前達は包囲されている。」
俺としたことが、いつの間にか魔人たちに包囲されていた。