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139.イヌワシ
ザイード王子から貰った卵はイヌワシの卵だった。
ユーコは卵から孵ったイヌワシをジローに育てさせた。
「わしがジローに鷹匠を仕込んでやる」
ユーコはジローに自信を持たせようと、提案した。
それから、ユーコは思い出したかのように森へ行って、自分用の鷹を捕まえて来た。
「まずはわし用の鷹がいないと格好がつかん。」
そう言って、鷹を捕まえてからは、ユーコはジローと二人で良く鷹狩りに出掛けていた。
その間、1人にされた俺は、俺がいなくなっても大丈夫なように、せっせと町づくりに励んでいた。
レジスタンス軍から、やる気のあるやつを応募し、肉屋や野菜屋をやらせた。
また、揉め事を解決出来るように、ギルドを作った。
ギルドマスターには、レジスタンス軍のリーダーを任命したが、後からその事を知ったユーコからは不服の声が聞こえた。
「任命しちゃったの? どーなの? どーなのかなー?」
スタンピードの時も、率先して動いていたし、俺には問題無さそうに見えたが、ユーコには何か引っかかるらしかった。