135.レジスタンス
その日の夜、そろそろ寝ようかと思っていると、5、6人の集団が家の前をうろついていた。
寝首を掻きにくるには早過ぎる時間だったので、悪い奴らではないらしい。
一応、ユーコとジローは部屋の奥に待機させ、玄関を開けた。
「何か用か?」
「我々はこの町に住むレジスタンスだ。お前が味方なのかどうか確かめに来たのだ。」
「レジスタンス?」
よくわからないが、とりあえず部屋に入れても大丈夫そうな感じだった。
外は目立つので中に入れて話を聞くことにした。
「レジスタンスとやらは、魔人と戦っているのか?」
「いや、まだ戦うまではいっていない。今のところは魔人の施しは受けずに自立した生活を立てることで精一杯だ。」
「それで? 俺達に仲間になれと言うのか?」
「いや、本当に人間かどうかを確かめに来ただけだ。ゴブリンのような物達も仲間のようだが、魔人ではないのか?」
「そういうことなら、大丈夫だ。正真正銘とは言いづらいが、俺達は人間だ。」
「わかった。今日は挨拶に来ただけなので、これで帰らしてもらおう。また来てもいいか?」
「ああ、構わない。」
・・・・・・
レジスタンスとやらが帰った後、ユーコが口を開いた。
「今は1人でも多く仲間が必要じゃが・・・。」
何やら引っかかるものがあるらしいが、ここでは俺達のほうがまだ余所者なので、向こうから来てくれたのは有りがたいことだった。