133.ゴブ達との再会
世の中には、どんなに正論を言っても、どんなに考え抜いて提案しても、全く採用されず、全く形にならないことが多くある一方で、大して考えもせずに話したことが採用され、実現することがよくある。
そう考えると、世の中は単純にベストの方向に進むわけではなく、無理に正論をかざしてもいいことはない。
・・・・・・
俺はまず行政所を作り、町の清掃員を公募した。
と言っても、そう簡単に人は集まらないので、結局は自分で清掃した。
道路脇には良く見ると、人の死体まであった。
俺は死体を埋める穴を堀ながら、
(せめてゴブ達でもいればなぁ)
と、嘆いたところ、
「ボス、スモールボス、応援に来た。」
なんと、ゴブ達がどこからか遣って来た。
宿屋からここへの回廊がまだ塞がっていないから、助けに行くようにと、白い大きな犬に言われてやってきたそうだ。
(白い大きな犬? 神様か・・)
俺は一瞬、神様に感謝しそうになったが、
(いやいや、神様に感謝は不要だ!)
そう考えて、代わりにゴブ達に感謝した。
「助かった。やはり持つべきものは良きゴブ友だ!」
こうして、城壁の門から続く大通りをどうにか清掃し、その両側の土地を自分たちの土地とした。