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131.死後の世界
俺の見る夢の一つにこんなものがあった。
死んだと思っていた人が、実は遠いアフリカの国に住んでいて、久しぶりに日本に帰って来たので、再会するというやつだ。
真っ黒く日焼けした知人の笑顔を見て嬉しく思っているうちに目が覚める。
(案外、死というものはそんなものかも知れないな。)
俺は今回のタイムスリップでそう思った。
また、なぜかこんなときに、地球以外の世界があることにも安心した。
俺は子供の頃から、太陽が消滅する日が心配で眠れないときがあったくらいだったのだ。
「取り敢えず、城壁に向かうのじゃ。用心するのじゃ、魔人の通った跡じゃ。」
ユーコの目先を見ると、巨大な足跡があった。
魔人がのる巨大な馬の足跡らしい。
城壁に近づくと2人が門番をしていた。
「お前たち、名前と目的を書け。」
人間の言葉を聞いて、俺はほっとした。
『リョータ。目的はまだない。』
俺はピンチになると、斜に構えるクセがある。ユーコのほうはとみると、
『ユーコ。弟探し。』
真面目なそう書いてあったので、俺も慌てて書き直した。