127.ブラックライト
敵がやってくる頃には、ゴザエモン達や騎士軍も集まって来た。
「私の言う通りにして頂ければ必ず勝ちます。決して慌てないようにお願いします。」
無駄に兵を失いたくはないので、おれは念を押した。
「分かりもうした。リョータ殿。パワーアップした我々の力をお見せ致します。」
ゴザエモン達はいつの間にか、また武家言葉を話すようになっていた。
また、相手の陣内に脱獄王をしのばせ、ある仕掛けを仕込み済みだった。
・・・
いよいよ、戦闘が開始された。
「よし、ユーコ頼む。」
「分かった。イーグルアイ、エグレアイ!」
そう言ってユーコが鷹のイーグルアイを放すと、相手の指揮官のみを狙って、目潰し(エグレアイ(抉れ目玉))攻撃を行った。
これは脱獄王が指揮官に赤い羽根をつけるように進言して、それが目印になったのだ。
「よしよし。」
ユーコは戻ってきたイーグルアイにオケラを上げては、また送りだした。
こうしてユーコのドローン攻撃作戦が成功し、相手が大分混乱している。
「よし、次はセシルだ!」
「わかりました。ブラックライト!」
次はセシルのブラックライトで辺り一面が真っ暗闇になった。
すると、敵の頭が光りだした。
これも脱獄王が皆の冠に蛍光色をこっそりと塗って置いたからだ。
「よし、突撃だ!」
真っ先にゴザエモン達が飛び出した。
「樵流、疾風閃!」
「樵流、龍神切り!」
「樵流、乱撃斬!」
「樵流、千手観音突き!」
なぜか樵流となった彼らの技は以前よりもパワーアップしており、とんどん、道を切り開いていった。
その後、騎士軍やゴブリン軍も続いた。
こちら側はずっと目を瞑って暗闇に慣れさせておいたが、相手側は突然の暗闇で何も見えない。
「クソ、何も見えない。」
「退却だ!退却だ!」
「痛っ!ぶつかるなよ!」
既に戦闘とは呼べず、こちら側の一方的な攻撃だった。
「もう、良かろう。」
俺は退却の銅鑼を鳴らさせた。