124.赤オーク
赤オークの肉の調達は遺跡の村の冒険者4人(今はフォースターズと名乗っている)にお願いしたが、俺とユーコも一緒に行くことにした。
「俺達は肉を残して殺すなどという、器用なことは出来ない。」
フォースターズの戦闘は荒っぽく、敵を切り刻んでしまうか、丸焼けにしてしまう。
美味しい肉を取るには、首を一刀のもとに切断し、血抜きをする必要がある。
その役目はユーコになった。武器はゴザエモン達が置いていった斧を使用する。
ただし、さすがユーコでも一刀のもとの切断は難しいかもしれないので、セシルに頼んで保険をかけて置いた。
「セシル、ダンジョンのポイントで魔法アイテム『ブラックライト』を交換しておいてくれ。」
俺は最後にギルバートに貰った小型のマジック収納バッグに入れて持ちかえるだけだ。
・・・
赤オークは遺跡の村のダンジョンの10階のボスだが、そこまではフォースターズの圧倒的破壊力で突き進んだ。
(いや、マジで最強だろ)
俺も同行するのは初めてだったので、その強さに呆れかえった。
俺とユーコは何もせずに10階までたどり着いた。
ボス戦はタンクが攻撃を受け流している間にユーコが仕留める段取りだ。
ここで、役に立つ裏技があり、セシルの魔法が役に立つ。
「ブラックライト!」
セシルがそう唱えると、辺り一面真っ暗闇になった。
その状態で赤オークのほうを見ると、一カ所だけ光っている所があった。
実は赤オークの首の毛は蛍光色で出来ており、暗闇で浮かびあがる。
すかさず、ユーコが小走りで駆け寄り、ジャンプした。
「トマホーク、円月斬り!」
その一閃で赤オークのクビが落ちた。