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123.頼みまくり
忙しいと言っても、俺はいつものように、頼みまくるだけだ。
「まずはコーン油だな。」
トウモロコシの油は香りと味が薄いため、食材本来の味が楽しめる。
俺はクリミア堂に行って、コーン油のお願いをした。
コーン油はトウモロコシを圧搾して作るので、ポーションの製作に似ているのだ。
「作れなくはないですが、30リットルの油が必要なら、トウモロコシは1トンは必要です。」
「わかった。農場からあるただけ持って来るので、作れるだけ作ってくれ。」
かなりの贅沢品だが、今回は仕方があるまい。
次は、包丁だ。
包丁の切れ味が悪いと、食材の旨みを逃し、苦みや雑味が増加してしまうのだ。
これは鍛冶屋のノルドに頼むしかない。
農場で作った麦焼酎を持っていった。
「ともかく、切れる包丁を作ってくれ、出来れば、包丁の自重だけでオークの肉が切れるやつだ。」
もたろん、玉鋼をリュックから取り出して、目の前に置いた。
「ばかたれ!自重で切れる包丁なんて作れるか!取り敢えず最高のものはつくる。」
俺は焼酎を使った梅酒の作り方を教えて店を後にした。