119.鷹匠
ある日、山から帰ってきたゴザエモン達が、ケガをしてある1羽の鷹の子供を連れて来た。
「リョータ殿、今日は鷹さ見づけたさ。逃げねえがら、おがしいど思っだら、ケガさしでるみだいだべさ。」
「わしが世話する。」
ユーコが妙に積極的だった。
「わかった。とりあえず、傷は直すから、元気になるまでは、ユーコに任せる。」
俺はそう言って、ちゃうどよい大きさの座布団をコンニャクで作り出して、その上に、ケガをしている鷹の子供を乗せた。
「ヒールコンニャク!」
鷹の傷にこんにゃくを当てると、傷がシュワシュワと治っていったが、まだ衰弱しており、動かなかった。
「後はわしがやる。」
ユーコは座布団ごと鷹を自分の部屋に連れて行った。
・・・
鷹が元気になると、ユーコはどこで覚えたのか、鷹に
『イーグルアイ』と名前をつけて、調教し始めた。
「大昔、ハウス公の猟犬をしていたことがある。鷹は仲間。色々と話をしたことがある。」
ハウス公とはだれだかはよくわらないが、鷹狩りが好きだったらした。
ヤブなどに潜む獲物をユーコが探し、上空へ追い出したのをハウス公の鷹が素早く獲物を捕らえたそうだ。
「今度はユーコが鷹匠になる。」
どうやら、ユーコは鷹匠に憧れていたらしかった。