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118.閑話休題~ユーコ編~
珍しくユーコが相談あると言って俺の部屋にやってきた。
「学校の同じクラスの男の子が、わしを好きじゃと言うんだが、どうしていいかわからん。」
「んー、何もしなくて大丈夫だよ。」
「そうなのか?」
「ああ、好きって言われるということは、もう十分に何かを与えているということだよ。」
「でも、なんかしてほしそうじゃぞ。」
「そこは知らんぷりでもいいさ。片思いでも、子供時代を一緒すごせるってことは物凄い幸運なことなんだよ。」
「・・・」
「ユーコが将来誰かと結婚するような相手に巡り会ったとしても、ある意味では、その相手より、その男の子のほうが幸せかもしれないよ。」
「そういうもんかのぅ。」
ユーコは子供とは言い難いが、人間としてはやはり子供であろう。
子供に対しては、きちんとした刷り込みが大切である。
嫌な思い出はなかなか消えにくいが、楽しい思い出は忘れやすい。
したがって親は、楽しい思い出を忘れないように何回でもその話を聞いてあげて、人生は楽しいものだと、子供心に刷り込んてあげる必要がある。