104.超塩湖
次の日、4人と一緒に山に入ったが、本格的な山登りなのには参った。
「ここらあだりが、いづもの作業場なさ。」
「えっ!?」
既に周りの木々は千年杉かと思われるほど太い。
その直径1メートルはあろかという杉を毎日、手斧で切っていたらしい。
「ほんどに、いい修行さなるべな。」
「・・・(いやいや、もっと川の近くで筏に出来る木を切ってくれよ)」
「んだ。さらにこれを刳り抜いて丸木舟さ、作れっつうんだがら、怠けちゃおれねえべさ」
「んだ、んだ。」
(そう言えば、舟も欲しいと言ったんだ)
「うん、そうだぞ。まずは舟の10艘も欲しいな。ってあれ?」
いつの間にか、4人は離れたところにある丸木に腰を下ろしいた。
しかも、手製のキセルまで作っていたらしく、煙をもくもくさせていた。
・・・
休憩が終わって、さらに1時間ほど山奥に入ったところに、それはあった。
『超塩湖』である。古代に海底が隆起したときに、そのまま海水が閉じ込められて湖になったのであろう。
その後、水分が蒸発して、海水の数倍の塩分濃度になっている。しかも、大きさは摩周湖ぐらいある。
「あそこを見でくだされ」
「おお、あるある。」
湖の中央部に、巨大な岩があった。
この景色だけでも、商売になりそうだったが、俺は何か商売にならないか考えていた。