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102.林業
ヨッシー公の件も落ち着いたので、俺達は村に帰った。
就職先が決まったはずの浪人4人も一緒だった。
「召し抱えるのは間違いありませんが、私が王になった後にお願いできませんか?」
財政難のヨッシー公から、そう言い出されてしまった。
「もちろんですよ、ヨッシー公。こちらとしても、まだまだ、村の再建が残っていますので。」
ヨッシー公に恥をかかせないように、俺がフォローした。これが大人の対応というものだ。
・・・
実際、4人にはやってもらいたいことが一杯あった。
まずは林業だ。せっかく川があるので、山で木を伐採して舟や筏を作り、王都との移動や交易の手段を増やしたかった。
「俺の国では、林業は武芸者の嗜みだった。だから、宜しく頼む。」
「なるほど、木を切って鍛錬しろということですな。分かりもうした。」
全くの口から出任せだったが、4人は喜んで引き受けてくれた。