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99.浪人参上
俺達もさっそく、脱獄王を村に帰して応援を呼んだが、結局、応援に来ることができたのはユーコと村人の一般人4人だけだった。
「敵討ちと聞きまして、馳せ参じました。」
「斬り合いになるが、大丈夫か?」
「刀なら持参しもうした。我々はこのような日のために、修練を重ねて来てごさる。」
一般人かと思っていた4人は、浪人だったのだ。
4人が言うには、最初の国が滅んだ原因のうちに、敵討ちがあった。
今のように、勝っても負けても一回切りのルールがなく、再敵討が横行し、際限がなかったらしい。
4人も私怨で主を失い、遺跡の村に避難し、敵討ちするために修練していたのだそうだ。
だが、石化により時代が変わってしまい、敵討ちが出来ずに消沈していたということだった。
(よし、とりあえず4人に任せるか。)
俺がそう安堵していると、
「リョータ、その顔、またズルを考えている。」
と、久しぶりにユーコに指摘されてしまった。