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10.国の成り立ち
さっきまでは静寂の中にいたのだが、今は木々のざわめきや虫の声が耳を楽しませていた。
「あ、結界も解けてしまった」
ユーコにはわかるらしい。(タロウが少女になったのでユーコ(夕子)と呼ぶことにした)
「遺跡の前には道もある、近くには町もある」
それから、ユーコにこの世界のことを少しずつ教わった。
元々は神様は同じ言葉、同じ習慣を持つ、一つの国を作ったらしい。
「その国では人間も150歳ぐらいまで生きた。能力も高くなるように出来ていた」
一方、自然の生き物である魔物はより強力であり、魔王のような存在もいた。
「魔王の力が強大。人間も協力しあった。でも、魔王を一度倒した後、人間はだらけた。争い事を起こし、国自体が滅んだ」
その結果を踏まえて、神様は7つの大陸に異なる言語を使い、異なる習慣をもつ、7つの国を作ったらしい。寿命も100歳程度になったとのことだ。
「最近、ロージア帝国が好戦的。7つの国のバランス崩れた」
そのバランスをどうにかするのが、神様の俺への2つ目の依頼ということだ。