プロローグ 追放されたベテラン、故郷へ帰る。
久々のハイファン新作です(*'▽')
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「まったく使えねぇな、ルドルフ! なにやっても中途半端……このパーティーにいる意味、あるのか? 創設メンバーだから仕方なく置いていたが、それも今日までだ!!」
ある日のクエストの後、三代目リーダーのアルドが俺にそう告げる。
いつか、こんな日がくるのは分かっていた。彼の言葉の通り、俺は何をやらせても【平均】の域を出ない器用貧乏、というやつなのだ。それなりにこなすことはできるため、創設時は頼りにされていたのだけれど……。
「たしかに、アルドの言う通りだ。このパーティーではもう、俺は足手まといに違いない」
「おう、案外分かってるじゃねぇか。そうだよ、オッサン」
「………………」
いまや王都でも指折り、聞く人によれば最強の一角に挙げられるパーティー。
そこに、俺のようなベテランを置いておく枠などないのだ。
そのことを突きつけられ、ひとつ諦めがつく。
「だったら、どうするべきか分かるだろ?」
「つまり追放処分、だろ?」
「あぁ、そうだ。ルドルフ、お前みたいな中途半端は今日限りで追放だ!!」
あえて、他のメンバーにも聞こえるような大きな声で。
アルドは笑いながらそう叫ぶのだった。
「おう、出てけ出てけ! オッサンはもう、お呼びじゃねぇよ!」
「これで肩の荷が下りるわ。気を遣うのも大変だったんだから」
「創設メンバーとか、いまの世代に言われても……ねぇ?」
すると、彼に同調するように。
他の主要メンバーも、俺に向けて嘲りの言葉を投げかけてきた。
パーティー入りしたばかりの新人たちは、まだどこか動揺している様子。だが何も言うことができずに、ただ静かにうつむいていた。
これ以上いると、そんな彼らにも申し訳ない。
俺はそう考えて荷物をまとめ、アルドに背を向けた。そして、
「……世話になったな」
一言だけ、そのように告げる。
答えはなかった。ただ、鼻で笑うような音だけが聞こえた。
それを背に受けながら俺は、ひとまず王都を後にすることにしたのだった。
◆
「あら、アンタ……もしかして、ルドルフかい!? ルドルフ・ウィスコム!!」
「久しぶりだな、青果店の婆ちゃん。……かれこれ、二十年振りか?」
――半月ほどの旅を経て。
俺は故郷である辺境の片田舎の町に帰ってきた。
いの一番にこちらに気付いてくれたのは、古くから青果店を営む老婆だ。彼女は嬉しそうに目を細めると、俺の背中をバンバンと強く叩く。
「二十五年振りだよ! すっかりオッサンになっちまったね!」
「そういうアンタこそ、見事に腰曲がったな!」
「うるさいよ!」
互いに憎まれ口をたたき合いながら、浮かぶのは笑みだった。
すると、そんな折にこんな声が聞こえてくる。
「おい婆ちゃん! この荷物は、ここに置いておけばいいのか!?」
「あぁ、ありがとうよ。マルス!」
そして、ドスン!
やけに重い音が、鳴り響いた。
マルスと呼ばれた青年は、しかし涼しい顔で肩を竦めている。筋肉の付き方、そのバランスがとても良い。無駄に鍛えているわけではなく、必要な箇所に必要なだけといった感じだった。
腰に剣を携えている様子を見るに、本来は剣士なのだろうか。
「ん……そこの人は、誰だ?」
「あぁ、紹介するよ。コイツの名前はルドルフ・ウィスコム――王都で最強と名高い冒険者パーティーのメンバーさ!」
「……元、だけどな?」
念の為、訂正しておく。
だがしかし、マルスの耳にはまったく届かなかったらしい。
「マジかよ、そんな凄い人がこんな辺境に!?」
「お、おおう……」
彼は俺の手を取ると、キラキラと目を輝かせた。
握力が凄まじい。痛みに冷や汗をかき、口角を引きつらせてしまった。
そして、そんな俺に向かって――。
「あのさ、無茶は承知でお願いがあるんだ!!」
「……ん?」
マルスは真剣な眼差しで、こう言うのだ。
「ルドルフさん、俺に剣を教えてくれないか!?」――と。
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