37.作られし空間で、依頼の成立を
「旅、ですか?」
リオンさんがポカンとした顔で私に尋ねる。
「はい。この世界には先週来たばかりなんですけど、私も旅をしてるんですよ。目的は私の願いを叶えることと、それから世界一周の旅というそのもしてみたかったんで」
今のところは順調……いや、うまくいきすぎている感じもするかな。
願いに関する情報は思った以上に手に入っているし。
「貴女も旅をなさっていましたか。ちなみに今はどちらを目指しておられるので?」
「王都ですね。この国で一番情報が集まりそうな場所かなと思ったんです」
「なるほど」
うーん、少し弱いかな。
まあ、リオンさんからすればそれこそ『利益がない』ことなんだろうし。
もう少し、押してみようか。
「多分ですが、リオンさんの力にもなれると思いますよ」
「?」
お、なに言ってんのかわかんない顔してるね。
なーに、簡単なことさ。
「私と旅をすれば……私をエサに使えば、勇者さんの方から近づいてきてくれるかもしれませんね」
私の中では推測でしかないんだけど。
それでも、確信に近めの推測だよ。
きっと彼女なら、来てくれる。
「……それは、貴女が異世界人だからでしょうか」
リオンさんの質問に、私はにこりと笑う。
ご想像にお任せします、というところかな。
「…………。……いいでしょう。貴女の求める対価を出します。
但し、古文書に記載されている問題を解く事が出来たら、です。それで宜しいですか?」
よし。
うまくいったぜ☆
「構わないです」
さすがの私も、解けないのに押し付けたりはしないよ。
ま、解けると決まったわけではないけどね。
古文書の問題が単なる高校生に解けることはないと思うんだよねぇ。
やってみることには変わりないけど。
「わかりました。それでは明日、朝食後に一緒に村長の家へ行きましょうか」
「はい。朝食の後ですね」
私が頷いたのをみてリオンさんは、パチンッと指を鳴らした。
そして次の瞬間には、元の宿屋の部屋に戻っていた。
私は立ち上がる。
「それじゃあ私は、これで失礼しますね」
「ええ。長い時間お付き合い頂き有難うございました。
それと一つ。先程までいた空間は時間の流れを遅くしておりましたので、こちらではほとんど時は流れていませんよ」
……ひえぇ。
空間だけじゃなくて時まで操っていたとは……。
やっぱりこの人、ヤバイよ。
王宮魔道士団とかいうエリート階級っぽい中でもトップにいたことも納得できるよ……。
この物語が面白いと思った方、ブックマークの登録、ならびに評価をお願いします。
感想等も下さるととても嬉しいです。
(リオンさんとの会話がようやく終わった……)
今後ともよろしくお願いします。




