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優しすぎるのですわ

五百年前の僕。今の僕は‥‥子供にアイ、マイ、ミイなんてつけんなよお。

まったく、ネーミングセンスがないなあ。

て、僕も4WD車のAIのナビにアイなんて名前をつけたけどねぇ‥‥‥。


まあ、ネーミングセンスはとにかくとして、悪亜が五百年前のスマホの写真を見て、


「こんな時が‥‥‥これは‥‥あの時の」


と涙声で話してます。

因みにスマホの操作はマーがしています。


そんな悪亜の声を聞いていると、五百年前の僕は‥‥‥今の僕なのではないかと思えて来たりしますよ。


‥‥‥けど‥‥けど‥‥けどですね‥‥僕はやはり五百年前にはいってないんです。

何度も言いますが‥‥僕は、行ってないんです。


暫くすると、今度はマーがスマホの動画を再生し出しましたよ。


「パパ、ママ‥‥‥」


と、スマホから可愛らしい声と動画が流れ出ると、悪亜がもう、声が出ないほど泣いてます。


「‥‥‥あなた‥‥アイ‥‥マイ‥‥ミイ‥

‥‥‥私だけが‥‥‥‥‥‥帰りたい‥‥帰りたい‥‥あの頃に‥‥」


と。


こんな悪亜を見ていると‥‥‥胸が締め付けられます。


「光、このスマホの写真?か?‥‥これは凄いな。なんて精巧な絵画だ。しかも絵画が動くとは」


そう言うブレイク王やアルベル達はスマホの画面に見とれています。


そんな中でミリアだけは、


「‥‥光様‥‥また涙が‥どうかなさいましたか?」


「‥‥えっ?あっ!」


あれ?僕はまた泣いている。僕は両腕で涙を拭うと


「ミリア‥‥ありがとう。‥‥‥僕どうかしたのかな?泣いてばっかだ‥‥」


ミリアに僕が言うとミリアは


「光様、座ってください」


ミリアが言うので僕は座ると‥‥‥


「‥‥‥えっ?‥‥」


いきなりミリアが僕の前に座ると‥‥僕の顔に両腕を絡めミリアの胸に引き寄せます。

そして、


「光様はどうもしていませんわ。優しいのです‥‥優しすぎるのですわ」


「ミ、ミリア‥‥」


ミリアのこの言葉に僕は‥‥僕の胸のつかえたのが取れた感じがした。


そして‥‥‥僕は‥‥再認識した。

やはり僕は‥僕は‥‥今の僕なんだと。


けど‥‥やはり‥‥なにか証拠が欲しい。

五百年前の僕と、今の僕の‥‥些細な‥‥ほんの些細な違いを‥‥‥‥と。


そんな時、


「あっーーー!」


と、マーが叫ぶので見たら、スマホの画面が消えて真っ暗になっていた。


「あっ、落ちただけだから‥‥‥」


と僕はスマホを再起動させ、起動させると、設定の画面に切り替えて、また急に消えないようにと設定しようとした時、


「あれ?‥‥‥これは‥‥本当かよ‥‥」


僕はある事に気づいた。



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