エピローグ
くっそ短いです
一時間目のHR。
担任の先生が連絡事項の最後に、これが本題だ、と言わんばかりに声色を切り替えて言う。
「さて、そろそろ学級委員を決めなくてはならない。誰か、立候補か推薦は――」
「はいっ!」
言い終わる前に大きく手を挙げる。
「お、樹か。立候補か? 推薦か?」
服から包帯が見えない様に気を付けながら、愛奈はそれでも元気よく立ち上がる。
「わたし、委員長やります! あと、綾部さんを副委員長に推薦します!」
担任は榛銘の方を向いて、
「それでいいか?」
と確認した。榛銘は小声で愛奈に抗議する。
「おい、私はやらないぞ、そんなの」
「えー、やりましょうよ。こうして重要な役職に就いて、友達いっぱい作りましょうよ!」
「いいよ別に。そんなに友達欲しくない」
「む、それってわたしも要らないんですか?」
「……いや、愛奈だけ居ればそれでいいよ」
クラスのあちこちで小さな悲鳴が上がる。担任も冷や汗を流しながら、事の次第を見守った。
「ならやりましょう? わたしの為だと思って」
「……まあ、いいか。先生、やります」
担任は色んな言葉を飲み下しながら、精一杯の笑顔を浮かべて、言った。
「そうか。頑張れよ。色々と」
HRはつつがなく進んでいく。
平和で、幸せな日々だった。
ご愛読ありがとうございました。
プアサギ先生の次回作にご期待ください