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離れて気づく



なぜか次の日からクロードが朝起こしに来なくなった

流石にリコも昼過ぎまで眠る事はないが侍女達が外で待ちぼうけをここ何日かくらっていた

もちろんお茶も淹れに来ない、姿を一切見なくなった



クロードは遊宴の準備に追われていて大忙しとか…

別件でも色々任されているのでお城に居ないらしい


――ふーん。別にいいけど。


寂しいと認めたくなくてリコは強がっていた



最近クロードといるのが一番楽で楽しいと思っていたのに急に居なくなったので少し落ち込んでいた


侍女達の淹れてくれるお茶が前より美味しくなった事に気付いたけど、1人で侍女に囲まれて飲むお茶よりクロードと2人で飲むお茶の方が好きだと思った


――居なくなって気づくよね…こういうのって…ほんと早く元の世界、大好きな日本に戻りたい。どんどん帰りづらくなりそう…こっちの世界が気に入りはじめてね…



そして、リコは儀礼の舞の猛特訓

運動神経は悪い方じゃないけど舞なんて未知過ぎて全然上手くできなかった

毎日体がバキバキになって、運動した後に食欲もあまりなく今までありえなかったがよく食事を残すようになった



そんなある日の朝



コンコンコンコン!コン!コンコン!


「ん…うるさい…何…」


ドアのノックとは違う不規則な音がひたすら鳴る


バルコニーに出るガラス張りの戸が外からコンコン叩かれているのに気づくリコ


シャッ!


カーテンを開けると


「鳥…?」


――真っ白の大きなかっこいい鳥…鷹かな…いや鷲かな…全然わからないけどすごいこっち見てる



何故だかわからないけどクロードが思い浮かんだ



ガラス張りの戸を開けてあげるとトコトコ中に入ってきて少し首を傾げたりキョロキョロしてリコを見る



――もしかしてクロードが変身してるとか!?この世界だいぶファンタジーだから!!


そんな事を考えていると



コンコン



今度はドアがノックされた



――クロード…じゃない。アイツはノックしないで入ってくるから…って!さっきからクロード、クロードってなんなんだアタシは!!



リコがドアを開けると



「まぁ!!姫様おはようございます!!お目覚めになられてるなんて!」


侍女のアンが感動して言う


「おはよ!ねぇ、この鳥何か知ってる?ずっと外からガラス戸叩いてたからとりあえず中に入れてあげたの」


「その鷹はアスファ様が可愛がられている鷹ですよ姫様!!」


「えっ、クロードの?」


リコが振り返ってタカを見る


タカは、相変わらず首を傾げたりしてキョロキョロしてる


「その大きな白い鷹を腕に留める姿は本当に素敵なんですよ…」


うっとりして言うアン


「この子どうしよう」


「アスファ様は放し飼いにしてると聞いた事があります!」


リコが鷹に近寄る


「姫様!危ないです!その鷹は人にあまり懐かないと使用人達が話していました!!」


アンじゃない別の侍女が言う


「そうなの?危ないかな?とりあえず外に出してあげないと…」



アワアワする侍女達をおいて鷹に近づくリコ



「おいで」


とそっと腕を出すと大きな翼を広げバサバサとリコの肩に乗った


――えっ、そっち?腕を出したんだけど…まぁいいや、肩に乗ってくれたし


「まぁ!!すごいです!!さすが姫様!!」


侍女達が感動してリコを見る



「そんな大げさな…」


リコはそのままバルコニーに出る


「アンタもしかしてアタシを起こしに来てくれたの?」


リコが鷹を見ながら聞く


鷹はぼーっとしていた


「とりあえずありがとうね、戻っていいよ」


パチパチ瞬きする鷹


「いや、戻っていいよ!聞いてる!?」


急にバサバサと翼を広げてまた翼をしまった


「いや、バサバサするなら飛んで!?意地悪なとこ飼い主そっくり!!地味に重いんだよ!」


リコが鷹に怒るとなぜかリコの頭にスリスリして懐いてるような仕草をする


「ははは、可愛いかも。ちゃんと起きたから大丈夫だよ。ありがとね」


リコがそう言うとバサバサと飛び立った


「さすが姫様です…アスファ様の鷹が懐いてました」


侍女達が尊敬の眼差しでリコを見る


――すごいのはクロードでしょ、アタシが起きれないの知ってて自分の鷹を起こしに行かせるなんてどうゆう仕組みよ…



それから毎朝、鷹がリコを起こしに来るようになった


ガラス戸を開けるとすぐに肩に飛び乗るくらい懐つかれた



違う日には


眠い目を擦りながら中に入れてあげると全然侍女達が来なくて


「今日来るの早くね…」


時間はけっこうバラバラで遅い時はないけど早すぎる時もあった



だんだん慣れてくると


「なっ!!何持ってきてんの!?いらないよ!!」


捕まえた小動物を生け捕りにして持ってくるようになって毎回逃してあげた





上手いか下手かは別としてリコは儀礼の舞を一通り踊れるようになった

あとは細かい癖を直すのとより舞の綺麗さを追求して行った



クロードと会わなくなって1ヶ月くらい経った…

遊宴の日はあっという間に迫ってきて

ついに前日になった



――こんなに人が頑張ってるのに当日に顔出すつもり!?てか当日も来ないかもね…とりあえず、ここまできたらやってやろうじゃないの!パッとそれっぽくやって、パッと終わらせて遅れを取っていた元の世界に戻る方法探しに本腰入れてやる!!



舞の練習後、当日の衣装を合わせる為侍女達に指定された部屋に一人で向かっていた



廊下を真っ直ぐ進んでいると…



「あっ…」


思わず声が出て立ち止まってしまった



いつもどこかで探してたいた横顔が目のを通り過ぎようとしてた



綺麗な長い黒髪を後ろで縛り細い毛束がサラリと揺れる

いつもの胸元が開いた服に大ぶりの金のアクセサリー


白い肌に綺麗なブルーの瞳が伏せていて完璧な横顔だった


正面の廊下をクロードが難しい顔をして書類を見ながら歩いていた

リコの存在に気づかず通り過ぎようとしていた



――あんな険しい顔して忙しそうなクロードに声かけれないな…なんか…けど、久しぶりに見れただけでこんな嬉しいなんてね…やだなぁ…アタシどうしたんだろ…


立ち止まって通り過ぎていくクロードを見る



「リコ…」


クロードがたまたま視線を上げてチラッと横を見て少し驚いた顔をして足が止まった





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