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明日の予定

「何だかオフクロの手料理なんて久しぶりだな」


 ダイニングテーブルには、貰った惣菜を温め、器に盛りなおしたモノが並んでいる。


「お兄ちゃんが、うちに居た時はほとんど作ってたからね」


 瑠璃華(るりか)がお茶を注いでくれる。


「ありがと。

今はちゃんと作ってるのか?」


「私が作ることのほうが多いかな?」


 二人で手を合わせて頂きますをする。


瑠璃華(るりか)、料理出来るようになったのか。

関心関心」


「ふふん。

お兄ちゃんには負けるけど、私の料理もなかなかなんだよ?

今度、お兄ちゃんにも食べさせてあげるね」


 自慢げに語る瑠璃華(るりか)


「それは楽しみだな。

その時は瑠璃華(るりか)の得意料理でお願いするよ」


「任せて。

お兄ちゃんの胃袋をわしづかみにしてあげるんだから」


 そう言って、俺にむけた手を握りしめる動作をする。

胃ではなく、心臓をわしづかみにされそうな位置だ。


「それは楽しみだな」


「ホントにそう思ってる?」


「もちろんだよ。

瑠璃華(るりか)の手料理食べたことないからね。

すごく楽しみ」


「うぅ〜。

それはそれでハードルが上がる・・・」


 困り顔の瑠璃華(るりか)


「まぁ、瑠璃華(るりか)が作ってくれたって事が大事だから」


 一応フォローしておく。

フォローになってるか?


「ところで、明日午前中に家具を見に行く予定だけど大丈夫か?

明日は予定無いかな?」


 話を変えておこう。


「大丈夫だよ。

明後日の面接以外、今のところ予定はないよ。

どこに買いに行くの?」


「取り敢えず、お値段以上の店が徒歩圏内にあるから、そこを見に行こうかな?と。

どこか買いに行きたいとこあったか?」


「そこで大丈夫だよ。

ところで、買った後どうやって持ってくるの?

即日配送してくれたっけ?」


「一応、即日か翌日配送対応店みたいだよ。

それとも少し遠めだけど、イ〇ア行くか?

あそこだと確か、トラック貸してくれるはずだから」


「お兄ちゃんって免許持ってたっけ?」


 失礼なことを言う妹だ。

両親に運転免許くらい取っておけと言われて、ちゃんと取ってはある。


「ペーパードライバーだけどね」


 実家に居る居る時に少し乗ったくらいだ。

そう言えば、瑠璃華(るりか)が学校に行ってる間しか乗ってない気がする。

それにあの時はツンツンしてたからな。


「ん? 何?

そんなに見つめられると照れるよ♪」


 今ではツンの欠片もない。


「でも、遅くても明日配送してくれるなら、近くの店で良いよ」


「そうか?

じゃあ、即日配送してくれることを祈って、朝イチで行ってみるか」


「うん。

2人で家具見に行くとか、もう新婚さんだよね?♪」


 まだ言うか。


「さて、話もまとまった所で、俺は片付けするから、瑠璃華(るりか)は先に風呂入っておいで」


「あぁ!

お兄ちゃんスルーした!

ヒドい」


「はいはい。

疲れてるみたいだし、少し長湯して今日は早く寝なさい」


「ぶぅ〜」


 ふくれっ面になる瑠璃華(るりか)


「そう言えば、着替えってあの箱の中なのか?」


 玄関の方を指差しながら聞く。


「そうだよ。

でも、パジャマと明日の服は、ちゃんと上に置いてあるから開ければすぐに取れるよ」


「なら、そこの棚の一番上の引き出しにカッター入ってるはずだから、取り敢えずパジャマだけでも出して風呂行っといで」


 リビングの端っこに置いてある棚?を指差しながら言う。


「はぁ~い」


 いまだに少し不満そうな声で返事をするが、ちゃんと言うことを聞いて箱を開けに行った。


「パジャマ取ったら、すぐにお風呂だからね〜」


 開封してるだろう瑠璃華(るりか)にダメ押しで声をかけとく。


「わかってるよ〜」


 返事が聞こえた少し後に、脱衣所の扉が開閉する音が聞こえた。

これで少し静かになるな。

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