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第19幕

「ハァハァ…。あと少しな気がするんだけどなぁ…。」


『そうだといいのだがさっきから瞬間移動を使われてまるで我らの攻撃が当たる気配がないぞ!』


「大丈夫!」


僕は微笑みながら返事をする。


「多分、"そこ"がポイントだと僕は思ってる。」


あいつはきっと僕と同じで"視えて"いるのだ。


だから…


僕らはもう少しであいつは倒せる。確信はできないけどそんな気がする。


今はその方法を探しているだけ。だが





「あーあダメだ。 やっぱなんも思いつかないわ…。」



僕の全力を確実に当たる方法…


そう言えばさっきの【フルとの本契約】って一体なんなんだろ?


「ステータスオープン!」


僕が何気なく自分自身のステータスを見ると同時に驚愕した。


「なっ!」


●名前 エデル

●職業 モンスターテイマー

● HP 2082/7683 SP832/2953

●レベル 45

●スキル 自己回復 与ダメージ倍増

被ダメージ半減 プラズマフレッグ

●特殊スキル 学びLV1

●テイムモンスター 子神狼


「………。」


… なんかいろいろ増えてる。


あのアナウンスが流れた直後から体にとんでもない力が湧いた気はしてたけどこんなことになっているとは……。


てか力って自分自身で努力してつけるものだと思うけどなんか僕の場合知らないところでほぼ勝手に強くなってんだよね。

なんだかなぁ。


あれ?プラズマフレッグって確かフルのスキルのあれだよね?僕は持っていないスキルのはずなのになんで僕のスキル覧に表記があるんだろ?


まっ!まさか!じゃあもうしかして本契約って…!


僕はフルに呼びかける。


「フル!あいつの攻略方法が分かったよ!」


『いきなり大声で呼ぶな!ビックリしたではないか!

で?攻略方法とははたしてどんな?』


「えっとね…」


僕はフルに風王狼には聞こえないように一応のため念波で考えを伝える。


『確率は低いが…なかなか面白いな!』


よし、決まりだ。

さて、それじゃあ今までの借りを返させてもらおうかね。


「じゃあフル、よろしくね。」


僕はそれだけフルに伝えると風王狼の元まで与ダメージ倍増をかけた剣を構えながら走る。

ここまでならいつもと一緒なのだが今回は少し違う。



「うまくやれるかは分からないけど一発勝負なんだから僕の剣よ。耐えてくれよ。」


ここでフルのスキル【プラズマフレッグ】を鋼の剣に流し込む。


バリ!バリバリバリバリ!


凄まじい光が僕の手のひらから剣に流れ込んでいく。


『グルァ?』


ただでさえ多くは残っていないSPがゴッソリ体から剣に移動する感覚。

猛烈な吐き気も込み上げてくる。


だが負けない!絶対に!


そして…


「で、出来た!」


今、僕の持っている剣からは夜の常闇をかき消す月か何かと疑ってしまうような膨大な青色の光を発しているプラズマが付与された。


「よし。第1関門突破!」


さすがの風王狼も自分の身の危険を感じたのであろう。僕がこの一撃を振りかぶる前に瞬間移動で視界から消えてしまった。だが


『エデル!右後ろだ!』


フルからの念波が届く。


僕はとっさに自身へ被ダメージ半減をかけプラズマを帯びた鋼の剣を僕から見て右後ろへ振り向きざまに振るった。

そこには硬化で僕にタックルをかまそうとしている風王狼。


ザシュ!


切れた!手応えあり!


剣は風王狼の脇腹を薄く切り裂いた。


僕が教えた考えとは簡単で僕の足元周辺の地面にフルが後方でプラズマを貼り巡らせてそれに意識を集中させる。フル曰く集中すればプラズマは相手の位置を知れこともできる優れものと聞いたのでそれを使った作戦だ。

風王狼は瞬間移動を使い僕の死角に入り硬化をまとって体当たりが攻撃のベースだ。

その対策としてこちらは、あちらさんが瞬間移動を使ったら随時フルがプラズマに意識を集中させて出てきた位置を念波で僕に教えてもらうってわけ。

つまりプラズマを使い慣れて有効活用できるフルがいなかったらできない共闘作戦なのだ。


そして、この剣ならあいつを切れる!


勝機あり!


だがそう考えてるのもつかの間、後方10メートルほどにある岩に僕の体は一瞬にして吹き飛ばされて衝突した。


原因は風王狼のタックル。僕の振り向きざまの攻撃で相殺しきれなかった力が当たり僕の体を吹き飛ばしたのだ。


「痛……。」


僕は今、途切れそうな意識を痛みを通してなんとか無理やり繋げているような状態だ。

いつ倒れてもおかしくない。


早くしないと。



「…フル!今だ!」


『応!』


僕の合図でフルの両足に"僕たち"のスキル【与ダメージ倍増】のかかった真っ赤なプラズマが構築された。そしてそれが一斉に風王狼のいる場所まで地面を通して流される。


風王狼は避けることはできないと判断したのかとっさに僕に狙いを定めて風魔法を発動して僕と風王狼の間にまるで天にまで届くかというような真っ黒い竜巻を発生させるとさらにそこに鎌鼬のスキルを付与させるという即死級の技を放ってきた。おそらくあの竜巻に触れたら体がバラバラに切り刻まれるだろうな。

だがその攻撃に完全にSPをつぎ込ませた風王狼は現在硬化のスキルは無使用状態。 つまりは


『グルヮァァァァァァァァァァア!!』


ただでさえ強い威力なのにさらにそこへ与ダメージ倍増をかけられたプラズマを地面からモロに食らい苦しそうに雄叫びを夜空に向かって上げる。


●名前 風王狼 【麻痺状態】

●HP 1237/6020 SP5/1902

●レベル 70

●スキル 王の威圧【大】HP自動回復

軍隊指揮 硬化 瞬間移動 風魔法


よし、麻痺で動けないでいる。


「最終関門突破!」


僕のヨミは完全に当たった。


立ち止まっており、なおかつSP値がほぼゼロとなっている現状、これなら確実に全力の技を当てられる!


僕はなんとか両足で立ち上がって踏ん張りながら青いプラズマを帯びて綺麗な青色に染まっている剣を両手で持ち天に掲げた。


目の前には風王狼が作り出した空高くまで続くかというような夜の闇より深い巨大な黒色の竜巻。ゴウゴウと凄まじい音を立てながらすぐこちらへと迫ってきている。


「君がそのつもりならこっちも今僕にあるありったけのSPをくれてやる!!!」


「これが僕たち家族の力だァァァァァァ!!」


僕は天に掲げていた剣を迫ってくる竜巻に向けて思いっきり縦に振り下げてこちらも空まで届くかのような巨大な青色の斬撃をくりだす。


「おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」


僕の放った斬撃は真っ黒な竜巻とぶつかりバリバリバリと凄まじい音をたてる。

だがそれも最初だけで黒は次第に青に押され始め、やがて縦に二つにぶった斬られる。


そして力の衰えぬ僕の斬撃の進む先では麻痺によりいまだに体をうまく動かすことができない風王狼。


『グラァァァァァァァァァァァア!!』


風王狼は斬撃を避けられずはずもなくもろに正面から受けて最後の命の叫びを夜空にぶちまけ竜巻同様に真っ二つとなって散った。



『我らは…勝てた…のか?』


「ハァハァ…うん。家族の力ってやつを見せつけれたね。」


やってやった。僕らはやればできるのだ。


そしてふいに空を見上げるとちょうど東の方が赤く染まり、まるでいつも明るいフルみたいな真っ赤な朝日が顔を出し始めていた


「夜明けだね。………うっ!」


僕は疲れからか戦闘が終わった安心感からか膝から地面に崩れ落ちてしまった。


『おい!エデル!だ、大丈夫か!』


僕はフルの叫びに大丈夫だから心配しないでと答えることもできずにそのまま意識を手放した。







【レベルが上がりました。】

【レベルが上がりました。】

【レベルが上がりました。】

【特殊スキル 学びLV1により相手モンスターの以下のスキルが使用可能になりました。

●瞬間移動

●HP自動回復

●硬化

●王の威圧【大】

●軍隊指揮

●風魔法

【ステータス閲覧能力にサポート機能がつきました。】




●名前 エデル

●職業 モンスターテイマー

● HP 203/7721 SP 0/3046

●レベル 48

●スキル 自己回復 与ダメージ倍増

被ダメージ半減 プラズマフレッグ

瞬間移動 風魔法 硬化 HP自動回復

王の威圧【大】軍隊指揮 烈空斬

●特殊スキル 学びLV1

●テイムモンスター 子神狼


●名前 子神狼 フル

●HP 2082/7721 SP299/3046

●レベル66

●スキル プラズマフレッグ ????

???? ???? 自己回復 与ダメージ倍増 被ダメージ半減 瞬間移動 風魔法 硬化 HP自動回復 王の威圧【大】軍隊指揮 烈空斬


少し早めの更新になります。


次回更新予定

2018/3/4

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