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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第7章 魅惑の宿

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酔っ払い

魔獣は基本不眠不老不死(殺されないかぎり)

弟がどうやらサキュバスに魅入られたらしい。

昨夜ロバートが言っていた魔物とは淫魔サキュバスの事だったのだ。

このままでは数日のうちに弟は衰弱死する。


[五芒星]で弟の部屋を訪ねたが、弟はベッドで眠りについたまま。

見た限りでは幸せそうに寝ている様にしか見えない。


しかし部屋では、ロバートは爆笑し、ミケはやれやれと言った顔をしている。

レイカは困惑して2人をみている。


「ミケ、ジグが自力で目覚めるか賭けないか?」

ロバートはまだ笑っている。


「賭けにならないわ。でもそうね、もう1日ぐらい寝かしておきましょう。」

レイカが神聖魔法で退魔できないかミケに尋ねたが無駄だと答えた。


「サキュバスを退けるには魅入られた本人の意思が必要なのよ。」

「本人が誘惑を退ければ自力でも目覚めるし、誘惑に勝てないなら退魔してもすぐに元に戻る。だから無駄よ。」

ミケは弟が誘惑に勝てないと踏んでいるのだ。


「レイカ、ちなみに同じ淫魔でもインキュバスなら肉体あるから簡単に対応出来るのよ」

「インキュバスは与えられた精子を使って相手を孕ませるだけの強姦魔。仕掛けられた本人以外なら剣でも魔法でも一撃よ。幻覚しか能がないから。」

「インキュバスに精子を補充するには、後穴からこう……」


「ミケ、お嬢ちゃんには刺激強すぎるだろ。」

ようやく笑い終えたロバートがミケを制止する。


「まあジグ心配するな、デポが対応する魔導具持ってるから、明日にでも借りるさ。」

結局その後、夕食を取る為に4人で食堂に戻った。


「デグさんはやっぱり、魅入られてましたか〜。」

夕食の混雑時間を終えたデポさんが給仕を簡易ゴーレムに任せ、休暇しながら言う。

「誰に襲われたんでしょう〜」

自分も含めた3人の目がレイカに向く。

レイカが赤面して唸っている。


「明日にでも[目覚めのトライアングル]お貸ししますね〜。」

デポさんが魔導具の貸与を約束してくれた。

大丈夫ときいても、弟が気にかかる。


この魔導具は鳴らした近くの者を強制的に目覚めさせるという。

しかも目覚めると丸1日は眠れなくなる。

淫魔の眠りも一蹴される。


レイカが確認していたが、元は眠らない魔獣が使う尋問の道具らしい。

4〜5日で眠らせてくれと懇願してくるそうだ。

「尋問でなく拷問だよね?デポさん」

レイカが呟く。


「しかし、男としては起こすのが忍びないな。」

「気になる娘が、本当なら絶対にしない、あんなことや、こんなことしてくれるんだからな。」

エール片手にロバートが話す。

朝から飲んでいた為か、完全に酔っている。


「ロバート、経験者は違うわね。」

「シルビアさんとやらは、どうだったの」

ミケも珍しく酔い加減に見える。

シルビア?初めて聞く名前だ。


「どうにもならんさ、相手は日の出の勢いの男爵家の若き令嬢、こっちは田舎騎士のくたびれた6男坊だ。」


その晩、酔ったミケが訪ねてきた。

ロバートの言葉の意味も、弟がサキュバスに抗しえないのも、よく理解出来た。


私の黒歴史がまた1ページ。

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