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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第6章 商隊護衛

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茶番

念の為の定型文

この作品はフィクションです。

実際の政治システム等を批判するものではありません。


ロバートさんの演説の後、選挙で討伐隊リーダーが選ばれる事に決まった。

各パーティーのリーダーから総リーダーを選ぶんだそうだ。


「う~んと、ミケさんが言ってた、茶番というやつだよね?マドウ」

『結論は同じでも、上から決められたのと、自分達で選んだのでは全然違う。』


でも、展開がミケさんの計算どうりで、ちょっとこわいかな。

ロバートさんが選ばれるだろうけど、手続きを踏むべきだと話してた。


『茶番といえば、エルフは長老を選挙で選ぶぞ。』

『エルフは民主化しており、最長老1名、長老会6名、慣例の長3名の10名が指導部になっている。』


う~ん、マドウの講義がはじまってしまった。

マドウの話はながいんだよ。


『最長老(1名)は任期200年。成人した高位エルフの投票で決まる。事実上の指導者になる。再選制限はない。』


『慣例の長(3名)は終身。辞任などの欠員発生の後任は最長老が指名。司法的な役割もする。』

『慣例に通じてなくてはならず、事実上高位エルフが独占している。エルフ法は慣例法と、判例で成り立つからな。』


目の前では茶番劇が演じられ、頭にはマドウの講義が響く。

寝落ちの心配はないが、少し辛い。

となりのデグさんは、寝落ちしそう。

そっと突っつく。


『長老会議員(6名)。任期は100年、成人したエルフの投票で決まる。エルフ法となる慣例を提案したり、最長老の政策を承認したりする。再選制限はない。』

『通常エルフが多数派と聞いている。』


デグさんをその後、2回突っつく機会があった。

結局、ロバートさんがリーダーに選ばれた。


食堂二階のテラス席に移動したロバートさんが作戦説明をしている。


『先程リーダーを選んだのに、作戦が既にあるのを疑問に思わない事に驚きを禁じえない。』

『小奴らは依頼を放り出し、この街から逃げ出す選択肢あるのに、気づいてなさそうだぞ。』


女神さまのお墨付き、マドウの口の悪さは通常運転している。

どんだけ喋ってもマドウは喉乾いたりしないから話が長い。


ロバートさんが、説明している作戦はすごく簡単。

①関所まで前進して交戦せずに圧力をかける。

②焦れた山賊が出てくるのを待ち野戦して、リーダーを倒す。

「[黒い鬣]さえ排除できれば、我々の勝利だ。」

ロバートさんが締めくくる。


「大丈夫かなマドウ?」

『寄せ集め冒険者に出来る作戦など、たかが知れている。』


「そうじゃなくて……」

『[黒い鬣]とやらはダークエルフとかではないか?』


「う~んと。マドウ。心配はそこじゃないんだよ。」

『心配ない。冷夏。』

「むぅ。」


アヤメが肩を叩いてきた。

「作戦説明終わりましたよ。」

慌てて席から立つ。

気がつくと全員にエールの入ったジョッキが配られていた。


「乾杯!」

私もジョッキを掲げたけど、口をつけないとだめかな?

先日判明したけど、お酒ダメダメなんだよぅ。

すると、デグさんがジョッキを、すり替えてくれた。

この世界にアルハラの概念ないから助かるよ。


「今日の手当分だ。」

「いや、これはリーダーの奢りらしいぜ」

「どんだけケチなんだよゴルツは。」


『曲がりなりにも、ロバートは兵をまとめたな。』

やっぱり、ロバートさんは貴族なのだなぁ

そんなことを思った。

エルフの皆さん(笑)。民主主義は正当性の為の茶番が重要だったりします。

本当に理想があるなら、立候補するべきですよね。

なんて、フィクションです。


さて、体調が戻り(問題なければ)来週から、現世で再始動するのでストック尽き次第、投稿不定期になります。

療養の慰みにお付き合いいただき、ありがとうございました。

書く楽しさは、読む楽しさとはまた別ですね。

書いてみると、

テンポよく組み立てているなとか、読みやすいなとか、他の作品の良さが色々見えました。

後、作家さんの普通の小説が普通でなく組み立てられているのもわかりました。

時間が許せば皆さんにも書く事お勧めしたいですね。


よろしければ感想、評価おねがいいたします。


私の黒歴史がまた1ページ。

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