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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第1章 旅の始まり

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敗勢

冷夏視点です。

神聖魔法は神力

魔法は魔力を消費します。

マイナスにならない限り気を失ったりはしません。

(0までは大丈夫)


潰れたゴブリンの死体。

前にスプラッター映画を見たときは、これと言って感想はなかったかな。

少しびっくりしたぐらい。

色々な規制がテレビにはあったのだろうし。


でも今は違う。

気持ち悪いし、テレビと違って臭いがするのがきつい。

吐きそう。


突然、何かが叫びながら飛び出してきた。

何あれ?

大っきい!

嘘でしょ!!

その大っきい塊が叩きつけてきた棍棒をジグさんが、ひらりとかわす。

私の足は、すくんで動かない。


「(マドウ何あれ?あれ何?)」

さっきのゴブリンには感じなかった恐怖を感じる。


『オーガ。妖魔で捕食者。』

『まずい事になった。』

『捕食者を恐れるのは本能だが落ち着け冷夏。』


ジグさんとテグさんが連携して戦っている。

私は何も出来ずそれを眺めるだけ。

怖いと本当に、足って震えるんだ。


『(大魔法で強制転移か?だが座標を定める時間がない。)』

『(しかしこの世界で、冷夏が知るポイントは[簡易神殿] [死神の泉] 近すぎる。)』


「(マドウ。どうしよう?どうしたらいい?)」


『ゆっくり息をしろ冷夏。』

『そなたは、日に神力8つ分の神聖魔法が使える。まずはそれで、対応する。』


ぐるり。

デグさんに猛攻をかけていたオーガが振り向きざまにジグさんを打った。

何かが砕ける嫌な音がしてジグさんが吹き飛ぶ。

オーガが振りかぶる。

反射的に手のひらをオーガにむけて、叫んだ。


「死神よ。気撃で、オーガを、撃て!」


止めを刺そうとしていたオーガの頭に白い光の球が飛んでゆき当たる。

オーガがこちらを向く。

ジグさんは動かない。


『今ので2つ使った。残りは神力6。』

『ダメージはあるはずだが、やはりオーガはタフだな。』


向き直ったオーガと私の間にデグさんが入る。

デグさんが自らを鼓舞するように叫ぶ。


「ジグさんを癒やします。」

『落ち着け、冷夏。』

『致命傷だけ、癒やせ。と言うんだ。あの怪我の感じでは、全回復には神力が足りない。』


「死神よ。致命傷だけ、癒して!」


倒れているジグさんの体が光る。

でも、立ち上がる気配はない。

駄目なの?

どうなってるのマドウ。


『神力5を使った。残り1。』

『(致命傷がなくても、動けない程の傷。神力の無駄だったな。)』

『詰みだ。デグが時間を稼ぐ間に逃げる。村の簡易神殿の死神のモチーフを思い浮かべろ冷夏。』


逃げる?

私一人で?


『最早どうにもならない。』

『せめて村にオーガの出現を伝える。』

『駄々をこねるなら、座標を定めず跳ぶが…』


逃げるの?

目前でデグさんが命懸けで戦斧を振るっているのに。

将棋勢解説

マドウは『詰みだ。』と言いましたが、正確には「詰めろ」をかけられた状態ですね。

なので、デグが効いている間に玉(冷夏)を逃がそうとしています。


私の黒歴史がまた1ページ。

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