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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第1章 旅の始まり

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遭遇

ジグ視点です。

二足歩行で道具使える相手は強敵です。




休憩により、少女も回復した様だ。

ゴブリンの死体が放つ悪臭に当てられたのかもしれない。

休憩前は気分悪そうにしていた。


竜の島では、鈴木家は相当な名家なのだろうか?

少女の反応を見ると、明らかに世間知らずなのがわかる。


それとも、やはり転生者なのだろうか?

しかし、転生者ならもっと何かしら、持っていそうなものだ。

転生者の業績が美化されているにしても。


そろそろ薬草の森の猟師小屋が、見えてくるところまで来た。

弟に警戒を促す。

ゴブリンの移住が始まっていたら、6体では済まなくなる。


風に乗り、微かに悪臭が漂ってきた。

先程嗅いだのと同じ。血と撒き散らされた内臓の臭い。


さらに近づくとゴブリンの死体があった。頭は叩き潰され、胴や手足は何かに喰いちぎられている。


まわりを、さらに見ると死体は1体ではない。

少女はまた気分が悪くなったのか、顔色が真っ青になっている。


気合の声とも、咆哮とも聞こえる音が響いた。

森の茂みから、棍棒を手に巨体が飛び出してくる。

待ち伏せされていた。

飛び出してきたそれはオーガだった。


弟は体格が良く、筋骨隆々。その姿を「オーガの様だ」と村人が話しているのを何度も聞いたことがある。


だが目の前のそれは、その弟の2倍近くの体躯を持つ。

弟でも両手でやっと扱える程の棍棒を片手で振り回してくる。

初撃を躱すことが出来たのは偶然でしかない。


「デグ間合いを取り、受け流せ。受け止めては叩き潰される。」

「2人で挟み込めば勝機はある!」


絶望的な戦いが始まる。

速度、持久力、瞬発力、全てが上回る相手に逃げる選択肢はない。


3人分かれて逃げれば、1人ぐらいは逃げ延びられるかもしれないが、可能性は低い。


ジグと挟み込み、少しづつでも削ってゆくのが最善。

少女だけでも逃したいが、オーガが強行突破に出たら、足留め出来るとは思えない。


何度か剣を当てているが、硬い表皮に弾かれ、大した傷になっていない。

デグも踏み込みが甘く、戦斧が軽くあたるだけ。

ただ踏み込み過ぎて、反撃をくらえば、こちらは一撃で戦闘不能だろう。


少しの間、戦いは膠着していた。

だがやがて、剣の攻撃の方が軽いとオーガに気づかれた様だ。

戦いに関してオーガは馬鹿ではない。


オーガがデグに攻勢を強める。

デグは下がりつつも、何とか凌いでいる。

こちらからの牽制が効いていない。


このままでは押し切られる!

強めの牽制の為、一歩踏み込んで剣を出した瞬間。

オーガが向き直り、棍棒を横薙ぎに振るってきた。


隙を誘ってからの反撃。

肋骨が数本まとめて砕ける音と衝撃。

弾き飛ばされ、意識が遠のいた。

ロールプレイングゲームは紳士協定が前提になってます。

最初の冒険でオーガは紳士協定違反かもしれませんが、現実はそんなものです。


私の黒歴史がまた1ページ。

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