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【3章完結!】  ステータスダウンしかできない無能デバッファー。追放宣告を受けてしまったが実は最強デバッファーでした。  作者: 追放されるけど何だかんだでハッピーなのが好きな人
一章 無能と呼ばれる男
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無能 放つ

暑い日と涼しい日が極端すぎません?

みなさん体調管理にご注意を

「むぅん!」


騎士団の男が斧を振るい、攻撃をしかけてくる。あんなもの直撃したらただでは済まないだろう。それに加え、俺は騎士団の男たちのように防具を身に着けていない。とにかくかわしつつ隙を見計って反撃する。それしか方法はなさそうだ。


(せめて武器があれば)


得物があればまた違う立ち回りができたのかもしれないが、俺は武器を持っていない。というより持たせてもらえなかった。一応一番使える武器は剣なのだが、栄光の翼にいた時は無能に武器代は勿体ないと言って俺には買い与えてくれないくせに、他の奴らの武器を買いに行かされる事がしょっちゅうだった。

しかも貰った代金で必要な武器を買い揃えられなかった時は、お金を盗んだなどといいがかりをつけられて殴られた事もあった。


(今に思えばあの時から既にいいがかりをつけられてたな……)

「戦闘中に考え事とはずいぶん余裕だな。ならこちらもペースを上げさせてもらおう!」


男の攻撃は先ほどまでよりも鋭く、速くなる。同じ斧使いのドヴォルよりも攻撃動作は速いにも関わらず、技のキレも鋭い。


(喰らうものか!)


横からの振り払い。それを察知した俺は体を逸らせ、敵の攻撃をギリギリかわす。


(今度は上!)


続いて上からの振りおろし。先ほどより速度は遅いがその分、力が乗っている。その攻撃を俺は横に飛びサッと避けた。


「ほぅ……」


自身の攻撃を連続でかわしたことに対する賞賛なのか、男が関心の声を出す。


「ヴァルト様!」

「ご無事ですか!」


鎧を着こんだ二人の男たちがこちらに向かって駆け寄ろうとしてくる。先ほど領主の部屋で出会った人物たちだ。


「侵入者!?」

「我々も加勢します!」


彼らも俺と同じ事を思ったのか俺を見るや否や、再び剣を手に取り構えを取る。ただでさえ厄介な斧使いがいるのに増援とは。ミラーナの居場所を聞き出さなければならないというのに非常に苦しい状況になってきた。このままでは


「お前たちは手を出すな! これは俺と彼の一対一の戦いだ!」


意外な事にヴァルトと呼ばれた斧使いの男は加勢をよしとせず、他の男たちに制止するよう指示したのだ。


「君もこの戦いを邪魔されたくないだろう?」

「……俺は彼女の、ミラーナの居場所さえ聞ければいいんだがな」

「君が彼女にそこまで固執する理由が分からんな。確かに彼女は美人だが……。そうまでして一体何故?」

「それこそあんたに言う必要はない」


分かっている。これは俺の我がままだ。目の前の男の言う通り、ミラーナは元々騎士団の人間。そんな彼女が俺の為に行動してくれている事が異常なのだ。


だがそれでも彼女は無能と呼ばれ、パーティーから追放された身である俺の為に全力を尽くしてくれている。自分の身を犠牲にしようとしてまで。

そんな彼女の好意を無下にはできない。俺はふぅっと息を吐き、再び戦闘の態勢に入る。


「空気が変わったな。なら私も全力で迎え撃とうじゃないか!」


ヴァルトもはぁっと自分を鼓舞するようにして覇気をこめる。どうやら相手も本気になったようだ。


「さぁ! 行くぞ!」


先ほどまでよりも速く鋭い一撃。先ほどまでとは全然違う。だが


「させるか!」


ゴミだと思ってた魔法。ステータスダウンの魔法しか使えない俺だがその効果は絶大。ミラーナも、そして彼女に引けを取らない実力を持っていたレイシアからも賞賛された魔法。それがあればこんな俺でも戦える。


「何だと!?」


突然、攻撃の動作がゆっくりとなった事でヴァルトは戸惑いを覚える。あの素早いウッドモンキーたちをも簡単に狩れるようになるくらい速度を低下させられるのだ。斧を振るっての一撃は確かに脅威だが速度を落としてしまえばどうという事はない。


「ここだ!」


斧の攻撃を掻い潜り、俺はヴァルトの懐に入り込む。


「人相手に使った事はなかったけど!」


今度は防御低下の魔法を放つ。ワイルドベアやキラータイガーをあっさりと倒せるほど、敵が柔らかくなる魔法。それほどの効果を持つ魔法なら通用するはずだ。例え鎧を着込んだ男が相手であったとしても。


「おっらぁ!」


ヴァルトも防御の姿勢を取ろうとするが、速度低下の魔法をかけられているため、その行動すら間に合わない。俺は全力を込め、ヴァルトの腹を目掛けて渾身の一撃を放った。


「ぐほぉぁぁ!」


一撃が決まり、ヴァルトの体は大きく吹き飛ばされ、背中を地面に打ち付ける事となった。


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