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【3章完結!】  ステータスダウンしかできない無能デバッファー。追放宣告を受けてしまったが実は最強デバッファーでした。  作者: 追放されるけど何だかんだでハッピーなのが好きな人
一章 無能と呼ばれる男
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無能 観察を終える

おお、ついにブクマ100超えました!

これも読んでくださってる皆様のおかげです!

本当にありがとうございます。

何とかこの調子で頑張っていきたいと思いますので宜しくお願いします

あまりにも衝撃的な光景を目撃し、俺もミラーナもあぜんとした状態となり固まってしまっていた。


「オーク同士が連携を取っての行動。人よりパワーもあるし体の大きさを活かした利もある。ワイルドベアでさえあのざま。かなり厄介だね」


レイシアの言葉を聞き、ようやく我に返る。立ち回りもそうだが、一方的に相手に攻撃を加える行為に恐怖を覚えてしまう。


俺とミラーナが魔の森で探索をしていた時にも遭遇したが、ワイルドベアは決して弱い魔物ではない。

むしろギルドでもBランク相当の実力者がいないと討伐する事が難しい魔物とされている。オークに負けず劣らずのガタイに加え、太い腕を振り回しての打撃、噛みつきや爪による切り裂きといった攻撃も得意としており、どれも喰らえばただでは済まないほどの威力はある。

それに加えて体力も多く、毛皮も固いため中々打撃は通らないのだ。実際にオークジェネラルの剣による攻撃もダメージこそ受けていたが致命傷には至っていなかった。


しかしそんなワイルドベアであってもオークにしがみつかれてはどうにもならなかったのだろう。最後には拘束されたまま、何度も剣を突き刺されるという残酷な方法で倒されてしまった。


「あんなのどうすれば……ワイルドベアが振りほどけないなら人でも……」


ミラーナがボソリと呟く。剛腕を持つワイルドベアですら拘束を解除できなかった。彼女の剣技は目を見張るものがあるが、彼女も人である。いくら彼女でも二体のオークに手足を抑えられれば剣をまともに振るう事すらできないだろう。


そこにオークジェネラルが襲い掛かってくる。最早恐怖以外の何物でもない。


「大丈夫。俺が命に代えても絶対に守るから」


不安げになっているミラーナの手を俺はそっと、そして強く握る。確かにオークたちの連携行動は厄介だ。本来なら無能扱いされていた俺など彼らにかかれば一瞬で倒されてしまうだろう。


しかし無能と呼ばれていた自分には規格外の魔法があった。その魔法を使えばオークたちが相手でもきっと……。最悪自分の身を犠牲にしてでも彼女を助ける。それが俺にできる最大の恩返しなのだから。


「駄目よ! 命に代えて何て絶対駄目! 絶対にヒューゴを死なせたりしな……」

「お熱いの良いけど静かにした方がいいよ。気づかれちゃうから」


レイシアがミラーナの口をそっと手で抑え、言葉を止める。俺も少し熱くなってしまっていた。崖下とはいえ目の前にオークたちがいるのに自分たちの居場所をばらすような真似をした事には反省しないといけないな。

口を抑えられていたミラーナもそれに気づいたのか、コクコクと頷き返事をし、口をふさいでいたレイシアの手をどける。


「おっと、何やら動き出し始めたよ」


再び崖下を覗き様子を見ると、オークジェネラルが何やら手で合図をしている。すると二体のオークが倒れたワイルドベアを担ぎ、その場を立ち去ろうとするオークジェネラルの後に続き歩き始めた。


「どうやら撤退するみたいだな」

「一体どこに運ぶのかしら?」

「おそらく、彼らの住処だろうね」


さてとと言いながらレイシアは立ち上がり、うーんと大きく真上に腕を伸ばす。


「それじゃあここで解散しようか。実際にオークジェネラルは見てもらえたし、情報としては十分でしょ?」


突然の解散宣言に俺とミラーナは思わず目を丸くする。


「ああ、言い方が悪かったね。私は今からオークジェネラルたちを追いかけて様子を見に行くからお別れって事。さすがにこれ以上君たちを巻き込む訳にはいかないからね」

「巻き込むって……それに追いかけるって正気か?」


あの光景を見た上でオークたちの様子を見に行くというレイシアに対し、思わず俺は疑問の声を投げかける。


「大丈夫だよ。あくまで偵察だけ。戦闘をする気はないからさ。もしオークエンペラーがいるなら戦ってみたいけど、あんなお供がいるなら手を出せそうにないからね」

「戦ってみたいって……あなた本当に正気じゃないわ」

「ふふ……。褒め言葉として受け取っておくよ。騎士様」


皮肉に対し笑顔を返すレイシアにミラーナはため息をつく。


「分かった。俺たちは撤収するけど無理だけはしないようにな。危なくなったらすぐにでも逃げてくれ」

「心配してくれるんだ? 君ってば本当に優しいんだね」

「茶化すなよ。ほらこれを渡しておくから。ヤバくなったら飲んでくれ」


出会ったばかりとはいえ、さすがに知り合いが死んでしまうのは気分が良いものではない。彼女の実力もはっきり言って化け物クラスと言っていいレベルだが、ミラーナやウッドモンキーたちと戦った時に体力は消耗しているはずだ。気休め程度にはなるだろうと思い、俺はレイシアに回復薬を渡す。


「これが君の"気持ち"かい? ありがたく受け取っておくよ」

「全く……本当にヒューゴはお人好しなんだから。あとあなた! あ く ま で 気持ち だけだからそこを忘れないように」

「善処するよ。何せ彼には怖ーーい騎士様がいるからね」

「あなたねぇ」


言い争ってはいるが悪い雰囲気ではない。むしろ友達のようにも見えるその光景に俺はため息と同時に、いつの間にかふと笑みを浮かべていた。

しかしオークエンペラーか……。もし本当にオークエンペラーが現れたとなれば大問題だ。

これからの事を考えながら、俺は言い争いが終わるまで静かに二人の様子を見守っていた。


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