B028.運命のダッシュ横殴り
港町ヘヴシンキの西門がスケルトン達により突破される。今まで奴等に市街地への侵入を許した事は無かったらしいが、そのレコードも今終わりを告げた。
クリエイター達の手で綺麗に作られた町並みはドラゴンの炎で蹂躙され、美しい石通りはスケルトンの波で押し流される。アクアマリンの様に澄み切っていた青空は黒煙と炎の赤光を映し出し、異形の女怪が跋扈する地獄へ成り果てる。しかし、あれもこれも全て人の手で行われる光景、怪物は人の心に住むと言われるが本当だろう。
今の私は所詮レベル2のサブキャラ、でもメインキャラはもうレベル20になって、仲の良い仲間達にタンク種族がいなくて、メインヒーラーの席を奪い合う事無く友人に譲り、一人でみんなに追いつくからと笑顔を作りこのアバターとこの街へ降り立った。
敵に門が破られる時に選択する行動は大雑把に二つある、一つは門の真上で熱した油を自身が倒れるまで敵の頭上へ注ぎ続け門を枕に討ち死にする事。この場合はリスポーンの条件が成立していなくてもと尊い自己犠牲として味方にそこそこ貢献出来るが、私はここで倒れる訳にいかない理由がある。
もし復帰狩りに会ったら間違いなく死に戻りの無限ループに入るからだ。一人で追いつくと仲間に行っちゃってたから、仲間に遠出してまで一緒に死にに来てなんて言えない。
私は市街地防衛戦におけるもう一つの行動を選択した。私は門が破られる前に市街内へ引き下がり、周囲にある乗り物?扱いのオブジェクト大八車や馬車を操作移動させて石造りの建物である公会堂や衛兵詰め所、港口へ続く進路、石橋の上にこれらを横付けに並べて配置、これをバリケードに使う。
共に防衛するプレイヤーの中には馬車でスケルトンの集団へ突っ込みロードキル狙いの人もいるけれど、バリケードの総数が減るから止めて欲しいんだけどな。
前線への支援は諦め、主要防衛地点のバリケードを築き続けると、炎と煙の向こうから金髪のノースマン戦士とダークエルフの魔法使い、弓を持つ獣人が駆け込んできた。ノースマンの戦士は西門の上で銃座を使っていたが、私がそれを奪った相手だ。
「アホタン!生きとったんかワレ!」と私は叫ぶと、「あ、怖い銃座の姉ちゃんか、レベルは上がったか?」と男は引きつった笑顔で軽口を叩いてくる。
「バギーラ、知り合いか?」とダークエルフの男がローブの下から低い声で呟くが、「ああ、さっき知り合った。レベルは見ての通りだが、怒ると怖いお人だぞ。」と彼等は私が作ったバリケードの裏へ潜り込み、回復魔法と薬草を使用しながら迫ってくる散兵スケルトンやハーピーに射撃を開始する。
「ソミュア、私を怖いお姉ちゃんじゃなくてソミュアと呼んでや。後メインキャラはLv20だかんね。」と私は彼等に念を押しておく、別に舐められたくない訳じゃなく、初心者では無い事は伝えておきたかった。お互いこの場では大事な戦力なのだから。
それを聞いたバギーラと呼ばれたアホタンは「わかった、ソミュア。とりあえずウチのグループへ一時的にでも良いから入ってくれるか?その方が都合がいいだろう、それに。」と言い終わる前にバギーラはスケルトンに集中光の魔法を連打し足止めを開始する、反撃として敵からの矢やツララがバギーラに跳ね返ったり刺さったりしてるが、喋る余裕が無くなって来たのだろう。
「分かった、それになんや?」と気になって私は続きを催促すると。
彼等の内で犬みたいな顔の獣人男が弓を構えながら「俺等は小さいが船でここに来た、逃げるなら手助けできる。あ、俺はゴンタっていうんだヨロシクな。」と言いパチリと片目でウィンクをしながら弓矢を無造作に天へ連射した。その後に降り注ぐアローレインは敵のスケルトンを矢濡れにするが、スケルトンには刺突属性である通常の矢が通じ難い。
しかし、そこはちゃんと矢じりを炸裂矢に変更しているらしく。矢の雨はスケルトンや地面に降り注ぐと共に炎の花を咲かせる。
「ガストラフェテス、今だ!」とバリケードと弱点攻撃の嵐にうろたえるスケルトン達へ呼ばれたダークエルフの男は両手で練り上げた火炎の球体を2秒の詠唱から発射、その小さい太陽は放物線を描きバリケードで狭まった道の中央に着弾し大きな爆発炎上を見せる、火神信仰魔法レベル6『エクスプロージョン』か。
現在の火神信仰はオークの軍勢により神像を囲むように要塞化されていて覇王軍はまず入手不可能であるはずだが、この男はどうやってそれを入手した?
それに彼等のレベルは全員17と私達のメインパーティーより低いが、スケルトンに対しての対策が完璧である。
レベルより慣れと要領か、と私は心で呟き、後方へ新たなバリケードを築き上げる、敵にもう一枚詰められれば後は建物に篭るしかないが、彼等と合流出来た事により次の目的地は港へ逃げ込むと決定している。公会堂と衛兵詰め所は諦めて港口を守らないと。
そんな時に、私の頭上に黒い影が躍りかかってきた。黒色の翼と大きな爪が目の前に。
「突撃Death!」「ボーンチャージ!踊り込め!」門が破られると同時にスケルトン達はナイトクラブで踊り狂う若者の様にヘヴシンキの中世西洋風の町並みへ容赦なく攻めかかる。覇王軍殿による頭上から降り注ぐ熱油の痛みも我々の足を止めない。いや、かなり痛いんだけどね。
街は既にドラゴン達により炎に巻かれ、NPCは経験値に変わり、略奪出来そうな物を奪い、敵のプレイヤーが迷っていれば囲んで叩く。無論、門上の油注ぎマンは念入りに倒す。
「ハハ!これDeath世!我々は地獄が見たくてこんな姿になったのDeathからね!」
「堕ちよう!堕ちよう!地獄へ墜ちるボーン!」
そこへ『お前等!なぜこんなことをする!許さないぞ!』と勇者気取りのノースマンが目の前に立ち塞がったが我等はこれを轢き殺し、「簡単さ!魔王軍だからな!」と答え屍を踏み越えていく。
門の周囲は木造建築ばかりだったので既に大半が焼け落ちている、その巨大な焚き火の様な街を進むと石橋の上に馬車や大八車が横倒しにされて我等の直進を阻む。
「気合の入ったバリケードDeathね。」「めんどくさいボン。」
とはいえ我々はスケルトン軍の指揮官なのでこの勢いで突き進むか別の道を探すしか無いか、第三の手を考えるしかない。
牽制程度に遠距離攻撃でバリケードの隙間から時折顔を出す敵プレイヤーに遠距離攻撃をするも、あちらは光神魔法、炸裂矢、とスケルトンの弱点を的確に突いて来る、トドメはエクスプロージョンの魔法だ。
この魔法は威力が高い上にスケルトンの弱点である火属性である、スケルトン基礎レベル次第では即死もの一撃だ。
「あいつらはヤバイ奴Death!」「この橋は遠すぎる、迂回するぼん。」と我々は別の通路を探しに向かうもヘヴシンキ内の通路は我々陸戦ユニットからはまったく分からない。今までスパイを送り込んだり偵察兵を雇ったりしてまで攻める気無かったからなあ。さすればやる事は一つ。
「竜軍竜軍、こちらグランデボーンDeath!現在、敵抵抗により前進不可能、つき別ルートのガイドを求む。送れ」
『グランデボーン、こちら竜軍、了解した。通信を待て。』
接点は無かったが今回は頼れる味方が空に居る。正直いつも組んで攻めてるハーピーは基本的にワガママなのでこういった戦術的な手伝いはしてくれないから助かりますね。
ああ、そこのお前。あの敵のバリケードに無理に突撃しなくてもいいんDeathよ!味方のスケルトンももうちょっと賢く生きるべきだと思いますね。
「スケルトン達の通り道は3つっすね。南が港口なので一番守りが硬くてそこで進軍が止まり、中央が石造りの公会堂?へ続き、北ルートが駐屯地に繋がって見えるっす。3つの石橋の下には運河がありますが渡河はどうっすかね。スケルトンって泳げるんすか?」とロドリコが素早くルートの確認をしてくれる。スケルトン達からガイドを頼まれた訳だが、俺等には彼等の特性があまり分からんのでざっくりしたアドバイスしか出せないだろう。
「公会堂の奥に更に石橋が2つあって港へ繋がっています、そこはガードが薄いですね。」とバッシーさんが目を細めてアドバイスをくれるので、銃座攻撃の回避で余裕の無い俺は手短にスケルトン達へ調査結果を送る。
「グランデボーン、こちら竜軍。そこから北にある石橋が公会堂へ繋がり、その奥が港へ通じる石橋が2つある、そこを攻められたし。送れ。」
『竜軍、こちらグランデボーン。ガイド感謝Death!終わる。』
「やれやれ、街を焼くとポイントは手に入るがこれはこれで面倒だな、対空ユニットがほぼ居ないのが救いだが。」と俺は呟くと。
「あ、お兄さん、亜竜が応援に来てますよ。」とジノーが報告するが、「亜竜来ちゃったっすかあ。」とロドリコが絶望的な声を出す。確かに南西から亜竜の群れがこちらに向かってハーピーに混じりながら敵を襲おうとしている。それに対してエリーンが「仲間が来たから嬉しい事じゃないの?」と無難な感想を漏らすがそれは違う。
「亜竜が来た、つまり亜竜がこれるくらいに攻略時間がかかっているって事だ。」
「ほへー。」とエリーンがこのピンチを理解していないのは当然だろう。
「亜竜のホーム周辺には悪い密猟者と商人が居てだなああああああやっぱいたあああ!」と俺は遠目で南西から全力疾走してくる陸戦軍団を視認するとつい絶叫してしまった。
ヘヴシンキの門へ向かう集団、その先頭を走るのは阿修羅の大女とドワーフのおっさんと死神。
やべえ、奴等が遊びに来た。
「ぐ、グランデボーン!こちら竜軍緊急事態だ、急ぎ送れ!」
『こちらグランデボーン、竜軍どうしました!?』
「門の外より覇王軍新手、内容は自称商人ギルド『Destiny trading』だ!後背に備えろ!門の上に熱油を用意しろ!」
『え!?あのヤクザギルドDeathか!あわわ、松本、どうしよう。』とスケルトンリーダーのシャンコ氏が明らかに動揺しているが当たり前だ。
奴等のギルマスは前覇王で、ギルド自体は現在の覇王軍にて3番目に強いギルドだ。
1位は海洋ギルド黄金のシロッコ、2位はエルフギルドのユニグロ。ならば3位は大した事が無い?答えはNoだ、なぜなら奴等は1位と2位と比べてメンバー数が半分以下と少ない、だが3位の強さを維持している。これが意味する事は一つ、同数で戦ったら全世界最強クラスの戦力である。これは各地の戦線で確認されている事実である。
「お、落ち着いて下さい、奴等も無敵ではありませんしスケルトン対策はすぐ出来ないはずでしょう。スケルトン、ハーピー、亜竜、我々が一致団結すれば勝てない相手ではありません。」
『わ、分かったDeath。進撃を諦めて背後の防衛に回ります。ThanksInfo』
「こちらも支援に徹します。終わり。」
気まずそうな沈黙が一瞬俺達のグループを包む。
「勝てるか?」と俺は周囲に確認を取るが、答えは一致している。
「無理だ…。せめて五分に持ち込み、ヘヴシンキの港を焼く、それが勝利と言えば勝利だな…。」とナイトウィンドさんが冷静に判断するが、そうなると本当にハーピーと亜竜の群れが肝になる。
「魔王様、ハーピーと亜竜の統制取れない?」と俺は駄目元でそのいつもは蔑ろにしているお飾り魔王様へお願いをする。
「駄目元ですよ?」と愛微笑はそれを微妙な顔で承諾し、ゾーンチャットでハーピーと亜竜に対して「魔王からのお願いです、敵への攻撃を港へ絞っていただけませんかー。」と呼びかけると多少効果はあったのか、空の影達は港側へ少しずつ移動をしてくれる。
「ああ、次はあのクソドワーフっすよ。」とロドリコが見たくない現実を突きつける。
陸戦のみ同士でスケルトンとあのヤクザギルドが衝突すれば間違いなくスケルトンは負ける、そこへ我々が嫌がらせに徹すれば五分、いけるかなー?
ガキン!っと目の前の大爪が盾ではじかれるのを見た。レベル差補正があるのでレベル2でも即死しないものの、このまま亜竜にいたぶられて戦闘不能に陥る状況を白馬に乗ったの騎士様ヨロシクにアホタン、ことバギーラが救いに来たのだが。これには少し感動と疑問を感じた。
「アホタン!?スケルトンはどした!」と守られた私は礼を言わずに尋ねると、「スケルトンが後退を始めている、理由はこちらの援軍が陸から来たからさ!」と言いながら私を襲おうとした亜竜の爪を盾ではじき返しながら片手杖から迸る光線、光神魔法『プリズミックレイ』を敵の亜竜に浴びせる、この攻撃により怯んだ亜竜は安全な空へ逃げようとするが、その黒翼へ突如無数の矢と炎の熱線がその大翼を集中破壊し竜を地に這い蹲らせる。
「があああぁぁぁ!」と亜竜は本当に中に人がいるのかと思うくらいの獣じみた咆哮を上げるが、3人の戦士達はそれを囲むようにしてマジックタンク、魔法DPSと物理DPSという対人向けの構成で仕留めに行く。
あ、経験値欲しいから私も殴っておこ、「さっきはよくも驚かせたな!こんちきしょう!」と初期装備でべしべしと亜竜を殴り続けると、敵は真っ白に燃え尽きた様な姿で戦闘不能の状態を表す。
その瞬間私は神々しい光に包まれレベル3へ到達する。
それを見てバギーラは苦笑いをしながら、「レベルアップおめでとう。歌でも歌うか?」と相変わらずの軽口で祝ってくれるが。あ、忘れてた。
「アホタン、レベルよりもさっき助けてくれてありがとな。後、最初は会った時は怒鳴ってすまんかった。」と言いたい事をここにきてやっと言えた。
「アホタンじゃない、バギーラと呼んでくれよ。それよりも港と船を守ろう。」とバギーラは苦笑いを続けながら先導を開始した。
「なんだよ、お祭りならすぐ呼んでくれよ!」と阿修羅の女チビパンさんが多腕を振り回しながら戦線復帰しようとするスケルトン達を蹴散らし、死神とゴーストとドッペルゲンガーという異色の戦隊は門上から味方へ熱油を注ごうとするスケルトン達を闇へと帰し、ドワーフは空に浮かびながら自軍を的確に展開させる。
ギルマスのドワーフはちょっと首を傾げた後にゾーンチャットで呼びかける。
「こちらアキンド、港防衛組に告げる、さっさと港を放棄し乗船、後北側から迂回して我等の戦線に加われたし。」とギルマスが味方に対しての指示をする。
片方に防衛をさせて援軍が後ろから攻撃して挟み撃ちにするという作戦は古今東西では常識的な戦い方だが、今回は防衛を放棄させて戦力集中後の掃討作戦を実施するみたいだ。
そのギルマスはどうやったか分からないが、隣には赤い名前表示のハーピーが一匹並んでいる。
「さて、おしちぃちゃん。ノースマンを滅ぼされたく無かったら約束通り協力して欲しい。ワシ等の欲しい情報は敵リーダーの位置と統制状況じゃ、ああ統制状況ってのは仲良しグループがどこに何個あるかなーってことじゃよ、簡単じゃろ?」と優しく悪魔の様に語りかけ空の怪物を手懐けている。
するとハーピーの少女は「うーんとね、どらごん?の3人がグループでぇ、今目の前にいてー、ほねほねはあの王冠かぶったのと魔法使いっぽいのがリーダーでえ、ハーピーとありゅーは好きにやってるょ。」と見事に内部情報流出である。いいなあ、私もギルマスに言葉巧みに弄ばれたいなあ。
「陽炎さん、次いくよ。」とSIVA君が催促してくるがこの子は効率厨なので引っ張られるのは仕方ない。
あれ、あのハーピー、よく考えたらギルマスの隣じゃないか、私の位置じゃないか、その席は駄目だよ、私の物だよ、あげないよ、戦争が終わった後念入りに倒しておこ。
ん、遠目に何かこちらへ飛んでくるのが見える、あれはビータ君とユーリカちゃんじゃない。
あ、ギルマスが危ないわ。「マスター、ビータ君が貴方を狙っています、すぐに避難して下さい。」と短く低い声で伝えると私はすぐマスターの元へ走っていった。
後ろから「陽炎さん、ちょっと手伝ってよ!」と声が聞こえるが無視、マスターが一番大事だからね。
「オラコイヤこわっぱー!」と低空を飛ぶドワーフのおっさんがこちらを挑発してくるのが目に映った。しかし、陸地にはラットマンとエンシェントエーテロイドの群れが岩陰や木陰に潜みながら我々を狙撃せんと待ち受けているのが分かる、見えた?いや、分かるんだ。あの人はそういうことする。
「そんな安い挑発には乗りませんよー!」と俺は言い返して高高度より陸には近寄らない。
「なんか爆撃手段がもうちょっと欲しいっすね。」とロドリコが悔しそうにたたらを踏むが人の背中で踏まないで欲しい。
「愛微笑の機械神か、火神の地雷魔法が爆撃として使えるが、こちらは数が優勢と言えど…。」
「意思疎通の出来るプレイヤーが少ないと数では劣勢カウントになります、これは戦争の基本ですね。」
とナイトさんとバッシーさんが状況を冷静に説明する。
「高高度爆撃部隊、作るしかないでやすかね。ちょっとカッコイイでやすよね。」とアレキシがノリノリだが、それを我々がやると空対空戦が弱くなるので少し難しい。
「新しい部隊作らないと駄目ですかねー。」と魔王様がお仕事をしようとしているが、そうしてくれると助かるんだがこの娘はそこまで要領は良くない。
数値で言うなら魔王様愛微笑、統率力30くらいだからだ、MAX100で。武力は50位だな。うわ弱い。
その点相手のボスは統率、智謀、政治が異様に高い、武力と魅力は低いから完璧ではないが強い。
「あれ、カラシさんの横にハーピーがいませんか?」とジノーが目ざとくそれを見つけると俺はその報告に戦慄した、そんなインスタントにどうやってスパイを用意したんだあの人。
「スパイはまずいっす。」とロドリコもすごい嫌そうな顔をして呟いた。
しかし、敵はヘヴシンキに突入せずに門を制圧したまま動く気配が無い、これに対する理由はなんだ?
スケルトンの復帰狩り?それとも何かを待っている?そうすると!?
俺は素早く北と南を注視する、するとヘヴシンキの北側に船団が発見出来た。
「まずい、戦力の集中が狙いか、なんで味方の亜竜とハーピーは港がNPCしかいないと気づかないんだよ!」と俺は虚空に怒鳴ると、「あいつら自分の事しか考えないから戦術なんてないっすよ。」と当たり前の答えがロドリコから返ってくる。
「急ぎ、あの船団を襲撃します。全員、急降下爆撃作戦用意。」
「了解。」「構えー。」と俺達は北の船団へ翼を向けた。
「あいつら気づいたじゃん、どうすんだ?お前の弟子だろカラシ。」とチビパンが皮肉げにワシへ言葉を放つが、この時点で気づいてもちょっと遅いんだよなあ、ビータ減点5じゃな。
「まだまだじゃよ、根回しと気配りがもうちょっと出来れば良い軍人になれるんじゃがな。」
「ハハッ、右も左も分からない頃の子供が悪い大人に兵隊として育てられた哀れな少年兵に対してその評価は厳しいな。」とチビパンが煽ってくるが、割りと正論なのでなんとも言えない。
まぁ、それも楽しみじゃろうて。と思いながらドワーフの戦士は対空兵を北側へ移動させる指示を下した。




