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白の物語  作者: 甘味しゃど
終章 誰も知らぬ結末 End_of_Route.
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第三節

 銀霊シャドウは、暗闇を歩いていた。

 旅が終わり、彼は帰路に着く。

 だが、彼が戻る場所は暖かい光の場所ではない。


 絶望、悲劇、嘆き、苦行。

 混沌とした悪と黒の世界で生きてきた彼にとってこの旅は、ほんのひと時の白だったのだろう。

 多くを殺して、多くを切り捨ててきた男は、また絶望のレールに戻る。

 救いなどもとよりない。

 誰も彼を救わない。


 でも。

 だけど。

 あの瞬間の白を、忘れることはないだろう……。


 それは、彼が忘れもしない、その人生の中で唯一無二である、幸せな過去を思い出す、ほんの一瞬の、そう。


 ―――〝白の物語〟だったのだから。

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