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34話 魔力

遅くなりましたぁぁああ!

楽しんでいただければ幸いです。

「ではまず、魔力を感じてもらうところから始めようかの。どれ、順にわしの前に並べ。」


イレイシアたちは、言われた通りリーの前に一列に並ぶ。


「まて、イレイシア。おぬしはこちらへ来い。他のものも、少しイレイシアの前へ移動するのじゃ。」


リーに言われ、イレイシアは戸惑いつつも移動する。その前に、7人ほどが並んだ。


「そしたらな、手をつないで魔力を感じさせてやるのじゃ。どうせアイリに教えられておろう?イレイシア。」

「分かりました。少し不安ではあるのですが・・・。」

「なに、若いうちは経験じゃよ。何かあれば癒してやるゆえ、存分に挑戦するがよい。」


リーに言われ、イレイシアは先頭の女子生徒と手を繋ぐ。先日アイリエルとやったのを思い出し、魔力を流し込んでみた。最初は上手くいかなかったが、すぐに成功して魔力による温かさを感じることができた。相手に温かさを感じるかどうか尋ねると、肯定の返事が帰ってきた。それを残り6人繰り返す頃には、リーの方も終わっていた。


「よし、おぬしら全員魔力を感じ取れたようじゃな。魔力の説明なぞは、授業でやるのじゃろう。省いてしまう。つぎは・・・そうだな、魔力操作を練習した先でもみせるかのう。」


リーはそう言って、どこからか木剣を取り出す。そして、おもむろに手刀を構え、木剣めがけて振り下ろす。鋭い風切り音が鳴って、木剣が真っ二つに砕けた。


「魔力は、あらゆる力になれる。ならば、自分の内側ならより好きに使える、ということじゃよ。好きな性質を、魔力と通して自分に与えられるんじゃ。もっとも、これぐらいになるには何十年と必要じゃがの。」


リーはその後も、拳1つで地面に穴を開け、その中に落ちて跳ねてみたりと様々なことをやってみせた。イレイシアたちは、呆気にとられるばかりで、いつになっても到底できる気はしないのだった。

一通りリーの魔力の実演が終わると、今度は魔術を実演し始めた。どこからともなく、いつの間にか空中に浮いていた1冊の魔導書。リーが頁を開き、魔力を流し込むと魔術が発動した。イレイシアたちが最初に認識したのは、突如として落ちてきた雨滴だった。そのすぐ後、局所的な大雨が降り始めた。雨が止んだ後には、びしょ濡れになった地面のすぐ横にイレイシアたち。リーが別の頁を開き、またも魔術を発動すると、瞬時に濡れた地面が乾いた。


「ま、こんな感じじゃな。今回は、特別に高位のものをつこうたが、普段はもっと規模の小さいもので練習していく。夢や目標になれば幸いだのぉ。」


イレイシアは、リーの言葉など全く耳に入らず、魔術の後を凝視していた。彼女は、今この瞬間、魔術に心を奪われていた。なんて、美しいのだろう、と。


やがて授業が終わり、ミルアとともに教室へ戻る。すでにシャーラは帰ってきていて、端の方でおろおろとしていた。2人を見つけて、安心したように駆け寄ってくる。イレイシアがシャーラに、医学の方はどうだったかと聞くと、青い顔で血が怖かったと言われた。イレイシアはミルアと顔を見合わせ、肩をすくめる。彼女たちの心情は一致していた。なぜ、医学を選んだんだ、シャーラ。

しばらくすると、アイリエルが教室にやってきて、終礼となった。イレイシアは、今日も終礼後にアイリエルと練習をする。終礼を終え、いつものように4人で移動していると、ふと視線を感じた。何かと思い、そちらに目を向けるが、誰もいなかった。イレイシアは、ミルアの方を見てみたが、特に気づいていない様子だったので、気のせいと思うことにした。


「いやぁ、危なかったな。魔力が多いと魔力に敏感になるのかね。剣姫は気づいてなかったし。」


イレイシアたちが過ぎた後、1人の男子生徒が姿をあらわす。金髪に翠色の瞳、しっかりとした体つきで、きちんとした衣服に身を包んでいる。ある種の貴族らしさがある彼は、魔力を使い、身を隠していたようだ。男子生徒は再び姿を隠し、その場を離れるのだった。


一方その頃、実験室に着いたイレイシアは、アイリエルから今日することの説明を受けていた。


「今日はぁ、魔術の仕組みを理解してもらってぇ、できればぁ使ってもらいまぁす!いえーい!」


アイリエルはそう言って、どこからともなく1冊の魔導書を取り出した。

お読みいただきありがとうございます。

次回、魔術説明回です。

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