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崩れ落ちた日常

どこにでもいる平凡なOL、年齢=彼氏いない歴のアラサー女……

それが私、佐藤 水穂 (さとう みずほ)


いつもの様に会社に行って、仕事して帰ってご飯たべてお風呂に入ってリラックスして、休日は友達と出掛けたり、ゆっくりゲームをして過ごす。

そんな当たり前の日々がずっと続くと思ってた。

あの日まではーー



「はぁ……疲れた……」

ぐっと背伸びをし、いつも通る道を歩いて帰る。

「明日休みだし、帰ったらお布団でゴロゴロしながらゲームしたい……」

そんな事を考えていた時だった。

ぼんやりと歩いていたからか、目の前に人が居ることに気がつかなかった。


「……れ……よ……」

急に目の前に現れた髪の長い女性が俯きながら何かブツブツと呟いている。

気味が悪いと思いながら早く家に帰りたかった私は「えっと……すみません……」と一言いってすり抜けた。


ドン!!

「っ……?!」

背中に衝撃が掛かると同時に腰辺りが熱く鈍い痛みが走る。恐る恐る震える手で痛みのある部分に触れ、確認すると手が赤く染まっていた。


「へっ……?な……に……これ……血……?」

痛みと恐怖で脚が崩れその場に倒れる

頭上に影が差し顔をあげると先ほどの女が包丁を持って立ち、嬉しそうに叫んだ。


「アハハハハ!! これでやっと願いが叶うのね?! 私は選ばれたのよ!! 早く……あぁ……早く!!」

そう言って女は更に顔を歪ませ狂った様に包丁を私に向けて何度も何度も刺した。


あぁ……痛い……痛いよ……

お父さん、お母さんごめんなさい。二人より先に死んじゃうなんて親不孝者だな……もっと沢山親孝行するべきだった……

あの子ともっとお話ししたかった。

結婚して子どもも居て幸せな家庭を持ちたかったなぁ……

まだあのゲームの新作だってリリースされてないのに……やりかったなぁ。

……死ぬときまでゲームって


「死にたく……ない……」

そう言って助けを求めるように月に手を伸ばした。


最後に見えたのは不気味なほど美しい月と恍惚とした顔で包丁を振り翳す女の顔だった。





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