303・ただ全力で信仰をって話
「マレッサはずっと俺について来てくれて守ってくれて沢山助けてくれた最高の女神様、毛玉姿から生えた腕や足は白磁の如き色白さで無駄な筋肉も脂肪もついておらず完璧の体現と言っても過言ではない、美しい緑のフサフサの分神体姿は当然として神体顕現した際の美しい姿は見る者全てを魅了する美の化身、もんという語尾は愛らしく可愛らしさ満点で個性的なキャラ付けにもなって一挙両得、神様らしくない性格でとっつきやすく気楽に会話もしやすい親近感も抜群で友達にしたい神様ナンバーワン、それでいて守護神として自分の国の民たちを深く愛しておりまさに神オブ神、更に多種多様な魔法を使いこなし戦闘もサポートもこなすなんでもござれの万能さは一家に一柱ほしいレベルの素晴らしさ、美と愛と力を兼ね備えたパーフェクトさ加減は他の追随を許さぬ神々しさとなって天下万民がひれ伏す程だと俺の中で絶賛話題沸騰中、なんやかんやと俺の事を気にしてくれて本当に感謝しかない、その心優しさに何度助けられた事か、マレッサがいなかったら俺は今ここにはいないし、きっと生きてすらいなかった、ありがとう、ただそれだけしかない、心からの感謝と敬意を以て、俺はマレッサに最上の信仰と友愛を捧げる!!」
一息でマレッサに信仰を捧げ、次の信仰の為に息継ぎをする。
どこか悲し気な雰囲気のマレッサ、たぶんこの信仰を捧げ終わった後の事を察しているんだと思った。
無理矢理止める事もたぶん出来ただろう、でもそれをせずに俺の好きにさせてくれている、やっぱりマレッサは優しい神様だ。
マレッサへの感謝を胸に、続いてパルカに信仰を捧げる為に口を開く。
「パルカは守護神である魔王国の敵として召喚された勇者の一人である俺にも分け隔てなく優しくしてくれて助けてくれた最上の女神様、分神体である三つ目の烏の羽根は夜の闇よりも黒く、漆黒すらも飲み込むほどに美しい濡羽色、手触りもビロードのように滑らか最高、その眼は夜空を封じ込めたかのような煌めきと静けさをたたえ、まさに至高の宝石のよう、神体顕現した際の美しさはまさに動く芸術作品、高貴と気品と威厳が溢れ出してもはや洪水、死という恐ろしくも慈悲深い力を司り、誰よりも命に対して真摯なその姿は慈愛に満ち満ちている、死の権能を存分に振るうその戦闘スタイルは並みの相手では戦闘の舞台に立つ事すら許さない程に洗練され戦う姿すら美しい、割と寂しがり屋でたまに甘えてくる所はとっても可愛らしくて愛おしさすら感じる、時々妙な事を口走るのもご愛敬、神としての立場を守りつつも俺を見守り助けてくれた尊敬する立派な神様、パルカと共に歩めたこの旅路は俺にとって宝石よりも星空よりも煌めく大切で素敵な思い出だ、何よりも美しい幾つもの宝物をありがとう、いつもいつも助けてくれてありがとう、心からの感謝と敬意を以て、俺はパルカに最上の信仰と敬愛を捧げる!!」
寝起きのせいか何が起きているのか理解出来ていないパルカだったが、すぐに驚いた顔になって、腹を立てた顔になって、そして悲し気に笑った。
もしパルカが最初から目覚めていたら、俺を死なせてでも止めていたかもしれない。
パルカもマレッサと同じでとても優しい神様だと心の底から思う。
更に大きく息継ぎをして、ナルカ、フィーニスへと信仰を捧げる。
「ナルカはとても可愛らしい黒いスライムで原初の呪から生まれた死の精霊、そのスライムボディはすべすべで肌触りが最高、少しヒンヤリしててプルンプルン、とっても食いしん坊で食べ盛りの伸び盛り、どこまでも成長する凄い精霊、パルカを姉母と慕う姿は見ていてとても可愛いぞ、人型になった時も可愛らしいのにスライムの羽根を使った攻撃はとても強くて凄いぞ、そこらの魔物なんて目じゃない凄さだ、その優しさと強さがあれば未来では精霊の神様になる事間違いなし、今までも沢山俺を助けて元気づけてくれた心暖かな仲間で友達だ、勇気をくれてありがとうナルカ、心からの感謝と敬意を以て、俺はナルカに最上の信仰と親愛を捧げる!! 続けてフィーニス、フィーニスはちょっと口が悪いがとっても優しく可愛い精霊王、精霊たちの王としてまだ経験は浅いが秘めた才能は破格の物、必ず立派で凄い精霊王になれる器だ、その強さは神に比肩する凄まじさ、竜の因子すら持ち、力の使い方によっては世界すらどうにか出来る程、でも今のフィーニスなきっと世界を優しく見守る事が出来ると俺は信じている、フィーニスが居れば世界はいつまでも平穏な事間違いなし、出会って日は短いがそれでもフィーニスの強さと優しさと温かさはよく分かっている、ツンツンしてる所も可愛いぞ、もう少し自分に正直になれれば更にいいと思う、人を信じてくれてありがとう、心からの感謝と敬意を以て、俺はフィーニスに最上の信仰と信愛を捧げる!!」
ナルカは嬉しそうに飛び跳ねている、フィーニスはマレッサとパルカの様子を見て何か察している様子だ、怒りながら泣きそうな表情をしていた。
悪いとは思いつつ、俺は信仰を止めない。
ただ、何故だか分からないが、身体の奥底からなんだか力が溢れてくる気分だ。
ロウソクが燃え尽きる間際にその輝きが増すような事でも起きているのかと思いながら、呼吸を整えセヴェリーノとその中に宿る雷神に信仰を捧げる。
そう言えば、人間自体を信仰するのは初めてな気がする、とはいえセヴェリーノは異神の血筋だし、たぶん問題ないだろう。
「セヴェリーノとその内に宿る雷神様はデイジー叔父さんと数時間も戦う事の出来る強靭で体躯と頑強な精神と崇高な魂を持ち、パルカに自分よりも上の神格だと言わしめた凄い存在だ、イケメンでマッチョで優しいまさにパーフェクトな超人、気さくで義理堅く、それでいて信念を貫き通す意思もある、異神の血を引いているという事以上にその人間性の凄さが憧れ甲斐のある好青年、そんなセヴェリーノに宿る雷神様はデイジー叔父さんの力を見てもなお戦いたいと言うほどに好戦的な様子はまさに雷を纏う武神、凄まじいその在り方は尊敬せざるを得ない、リベルターの街で何かと世話を焼いてくれた事、本当にありがとう、強くて優しい異世界の偉丈夫、心からの感謝と敬意を以て、俺はセヴェリーノと雷神様に最上の信仰と畏敬を捧げる!!」
何事かと訝しんでいたセヴェリーノだったが、すぐさま自身とその身に宿る雷神の変化を感じ取り、俺の信仰がどんなの効果を持つかを理解したようだった。
その上でマレッサたちの様子から何かを察したようで、呆れた顔をして俺の頭を乱暴に撫でた。




