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死んだ幼馴染が異世界で魔王やってた  作者: ないんなんばー
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これが本場の南の料理

今回もよろしくお願いします

「暇だなあ。」


「そうですねえ。」


広くてやたら清潔な部屋に、二人分のボヤキが流れる。

言うまでも無く俺とガラルドである。


あの激闘から一夜明け、更に日が暮れ茜色の中、城の医務室でようやく俺達は目が覚めた。


丸一日以上眠っていた事になるのだが、体の消耗は激しかったのか、すっかり元気と言うわけでもなく、今日と明日は完全休養と相成った。


残念ながら、「目が覚めたんだね(ニッコリ)」みたいなイベントはなかった、女性達はフローラルージュの観光とショッピングに向かったと、医務室の長、フレッシュデーモンのペイン医師は語る。


その後放置され二人きりの中、俺達は他愛もない話に盛り上がっていたのだが、お互いの仲間たちへの感謝と愚痴で一度話が途切れた後、ただひたすらにボケっとするだけの時間が流れていた。

燃え尽き症候群かもしれんな。


「なあガラルド、飯行かね?」


「そうですね、アリア達、いつ帰ってくるか解りませんし。」


ノタノタと準備しつつ、男二人、今日は華のない食事になりそうだ。




勇魔規約の好敵手認定により、俺の名は恐らく、ガラルドと共にリーベンス、及び南の魔王領中に広がることになる。

この好敵手認定というものは、実はかなりの効力を持っていて、極端な話、俺はリーベンス内に関しては、ほぼノーチェックでどこにでも行くことが出来るらしい。ガラルドはその逆な。


その際、出来れば狩猟者協会か、いずれかの教会に所属するのが望ましいとの事で、せっかくなのだからとアナスタシアのいる『創世教会』にでも所属しようという話になった。らしい。

いやユーリカが決めたんで良く知らないけど。


どうやらアナスタシアがユーリカの昔の知り合いのようで、ユーリカにベッタリなユーリカフリーク。

それで良いのか神の僕、とは思うが、そこまで慕われたら悪い気はしないよね、と、お返しに俺と共に創世教会に所属しようかってんだから、異世界来てまで日本人やってるなぁ、と思った。


まあ全ては明日だ。

今日は旨い飯食って速く体を本調子にしよう。


「うわ美味し、これが本場の南の料理…」


「和食っつーんだ、覚えて広めてくれ。」


生姜焼き、旨い。






「戻ったよ、オリ君、少しは元気になった?」


露天風呂で顔を真っ赤にするガラルドをおちょくったり、中庭からパクってきた果物を食ってクールダウンしているうちに、ユーリカが戻ってくる。


残りの連中は戦利品の品定めに忙しいらしい。

アリアとアナスタシアは直ぐに部屋に帰って行ったとのこと。


「おう、おかえり、楽しんで来たか?」


「もっちろん、自分の国が褒められたり、憧れられたりするのって、良いものだよね。」


「すみません、二人がご迷惑を…」


「ううん、私も楽しんでたから大丈夫。明日はガラルド君も教会に行くんでしょ?」


「はい、僕もフローラルージュは見て回りたいですし、そもそもまだ依頼達成になってないんですよね。」


ユーリカの問に肩を竦めながら答えるガラルド、ガラルド達の本来の目的は、アナスタシアを創世教会に送り届けること。

遠路遥々、2週間以上の船旅をしてきたらしい。


一応、創世教会についても訊ねてみた。


この世界を創ったと言われる神、オルドエンディオ。

神はまず大地を作り、うんたらかんたら、それでまあ、その神の偉業を称え、その在り方を教典とし、生命、或いは不生命に与えられる平等、不平等、それらは全て神の愛であり、また試練である。

とかなんとかそういう教えらしい。


とにかく、創世神オルドエンディオを祀る教会だ。


神、神か。


「なあ、神って居るのか?」


思わず出た俺の質問。

二人は少しキョトンとして、その後微笑む。

なんだその顔は、サンタを信じるガキじゃないぞ俺は。


「うーん、私は居たほうが素敵だと思うんだけど。

存在そのものを感じたことも無いし、誰からも聞いたことはないかな。」


「確かに、僕達は神と言う存在に造られたのかもしれませんね。

ですが、教会の殆どは事実として、神の声を聞いたことは無いと認めてますし、どうなんでしょうね。」


いや、聞くまでもなかったか。

そらそうだ、神話は神話、お話だ。

馬鹿な事を聞いたな、などと思いながら、笑顔の裏では、

間違いなくアイツは神だと思った。


そのアイツってのが、いつ合った誰なのかは、全く分からないが。


「まあいいか、そろそろ寝るぞ。

明日は教会のお披露目なんだろ?」


「うん、新装祝したり、皆でお祈りしたり、アナちゃんの初仕事でもあるから、お城から料理人を連れて行ってお祝いに炊き出しもするよ!」


「ほう、そりゃあ楽しみだ。と言う訳だガラルド、医務室に帰ろうぜ。おやすみユーリカ、また明日な。」


「はい、それではユーリカ陛下、おやすみなさいませ。」


「二人共、おやすみー!」


ユーリカに手を振って別れる。


勇者との戦いで、また一つ成長できたような気はするが、神のことだったり人間サイドとの付き合いだったりと、考える事は増えそうなのであった。


人物などなど


○ペイン…百花城医師。二本の巻き角、浅黒い肌、すくみ上がるような強面、背中にはコウモリのような翼。

筋骨隆々の体に布を斜め掛けにしたような服を着る、筋肉モリモリ、マッチョマンの悪魔。


なお好物は野菜炒め。

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