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42話

 次はどこの国がいいかをまたしても会議中です。

 一応フィーネ達、風精霊がいつものように姿をかくして各地に偵察にいってくれている。

 精霊は妖精より能力が高く風精霊は隠密性にも長けて重宝してます。

 

 「いつも諜報活動ありがとね」


 「ホントだよー。しっかり感謝してね!」


 笑顔でフィーネが応えてくれた。

 うん、ホントに感謝してるよ。


 「それで、どこか気になる国はあった?」


 「そうだね、まずユキが気にしてる人間の国だけど、アンデッドがいま大量発生していて勇者君が今がんばってるみたいだよ」


 アンデッドってぞんびとかスケルトンとかお化け関係は無理です。

 心の底から頑張って欲しいです、人間の国の勇者様。

 きっと光の剣みたいなので無双してるはず。

 いや、無双してて欲しい。

 そしそのまま人間の国を平和にしてください。

 

 「恩を売っておくなら今助けてあげて、国交を結びやすくなるんじゃない?」


 「そ、そうだね~。でも他の国もきになるなぁ。うん、他の国はどうなってるの?」


 助けてあげたいけど、お化け駄目、絶対。


 「獣人の国はどちらかというと部族連合って形で成り立っているみたいで、どこの部族が頂点になってまとめるかで揉めてみたいだよ。あとは、ドワーフだけど、こっちは今、王族の間で政争が起こってるね。第1王子と第2王子の間で国が2つに割れるかもって話だよ」


 「どこの国もだめじゃないか!?」


 人間の国はアンデッド。

 獣人の国は内戦状態。

 ドワーフの国は政争真っただ中。

 特に獣人の国とドワーフの国はどこに肩入れするかで、運命決まっちゃうよ!

 人間の国かぁ、僕がいかないと見た目が人間に近いのいないよね。

 でもゾンビとか気持ち悪い。


 「ニンゲンの国を助ける方が得策かもしれんな」


 「そうだね、今の獣人の国とドワーフの国は下手に介入しない方がいい」


 順にドーガとグラン。

 そうなんでしょうけど、ここは変に動くより大人しくしておこうよ。

 やっと魔族の国ともやりとりできてるのに、もっと他国が安定してからでもいいのではないでしょうか。

 

 「ただ、勇者の事が気になりますねぇ」


 そう、フェルミナの言う通り勇者が僕たちエデンに対してどう反応するのかが気になる。

 なんせうちは、モンスターだらけの王国です。

 もちろん妖精達も沢山いるけど。

 そういえば、妖精の中にも警備隊に入ってるのがいたな。


 「で、そのアンデッドの数はどのぐらいなの?」


 「大量発生しているらしいから、何とも言えないね。でも軍勢規模にはなってるみたい。あいつら弱いから数で押してるみたいだよ」


 アンデッドが軍勢規模ってどこのホラー映画ですか。


 「いきなり介入しても、こちらにも攻撃されたらたまらないから、何か最初に手を考えないと」


 「そこはユキが勇者と接触するしかないんじゃない?」


 簡単に勇者と会えるか?勇者といえば、国の中でも中核的存在、多少のプロパガンダにも使われているだろうけど。

 てか、フィーネも簡単に言ってくれるね、いきなり行っても勇者に会えるかわからないのに。


 「そうだな、ここはおぬしが助けたいと思うなら動くべきだな。そうすればニンゲンも少しはエデンの見方を良い方に捉えるかもしれん」


 ドーガさん、あなた最初の頃は王が勝手に動きまわるなとか言ってなかった?


 「勇者が戦ってるとこに現れて颯爽と助けるか、その前に戦力の提供ができることをつたえるかが問題でしょうけど、明らかに前者は間違えばこちらも勇者に攻撃される可能性もあります。後者になると如何にして接触するかですが、ここは1度人間の国に行ってみるしかないでしょうね」


 とグランが具体的に説明してくれたけど、それってやっぱり僕が行くしかないではないか。

 とほほほ。

 

 「一応いつでも動けるようにこちらでも軍隊を作ることが必要ですね。幸いうちには、軍隊を作るのに事欠かない人員ばかりですからね」


 グランが言うとり、エデンはいざというと時に戦える国民がほとんだもんね。


 あとは、どうやって接触して、こちらが味方かをどうわからせるか。

 それに、アンデッドが大量発生して原因もなにかありそうなきもする。


 「アンデッドが自然発生することってよくあるのかな?」


 「アンデッドが発生するには魔力が溜まりが原因と言われていますが、今回は少しおかしいぐらいの数ですから、人為的な可能性もあります」


 グランが人為的な可能性を示唆してくれたけど、ネクロマンサーでもいるのかな?

 それか死者の王とか?

 そんなの居たら嫌だな。


 「御屋形様が行かれるのでしたら是非、私もお供させていただきます!」


 「あるじが行くなら俺も勿論ついてくぜ」


 「ユキ様のそばにはいつも私がいなけれなりませんから当然私もまいります」


 ポチ、クロ、シロの3人は着いて来てくれるみたいだ。


 「アウラもパパのお供するよ!」


 「アウラ、今回も危険だからダメだよ、今度仕事が終わって帰ってきたら、魔族の国に連れて行ってあげるからそれで勘弁してくないかな?」


 「うう、アウラもパパの役にたつもん!」


 なんて可愛いんだろうか!

 

 「ごめんね、アウラ。ミントお願いできる?」


 「はい、アウラ様こちらへ。一緒にユキ様のお食事の準備をしましょう。あまりユキ様を困らせてはいけませんよ」


 そう言って半ば強制的にアウラを退室させる。

 ごめんよアウラ。


☆★☆


 人間の国へ行くメンバーは僕とポチ、クロ、シロの4人で行く事になった。

 ポチ、クロ、シロの3人にはフード付きのマントを被ってもらっている。

 一応念のためだ。

 道中にはやはりというか何というかゴブリンがよく現れる。

 其のたびに、巣を破壊して回っていく。

 これもエデンの為、ゴブリンよ、成仏してくれ。

 人間の国に近づくにつれてアンデッドが表しだした。

 主にゾンビやスケルトンだが、ポチ、クロ、シロの敵ではないようで、無双している。

 僕はアオと一緒に見てるだけ、なんというかゾンビとか一番気持ち悪いです。

 スケルトンとか不気味でしょうがない。

 あー怖い。

 早く帰りたい。

 何とかアンデッド達を蹴散らしながら人間の街に着いた。

 行商に来たことを伝えたら、入国審査とかないの?

 と、思うぐらいすぐに通してくれた。

 アンデッド騒ぎでどこも物資が不足しているみたいだ。

 勇者様も軍と連携して頑張って戦っているがなかなか数が減らないようだ。

 アンデッドは巷での噂では大森林からやってきているのだとか。

 大森林にアンデッドはいなかったよ。

 大量のゴブリンさんはいたけど。

 しかし、噂でも大森林のせいにされたら困ることになる。

 なんとか、勇者か、国の偉い人に話ができればな。

 

 今は宿をとって、取り敢えずは一休みしている。

 辺境伯に金貨もらいといてよかった。

 僕は、宿で食事を取るために1階に降りて来ていた。

 ついでに少しでも情報を得るために。


 「女将さん、勇者様って見た事あるの?」


 「あんた何言ってんだい、もうすぐこの街にも勇者様が来てくれるんだよ。なんでも近くの大森林でまた大規模なアンデッドが現れたらしいって報告があるんだよ。だからあんたも街の外に出るときは気をつけるんだよ」


 おお、都合よく勇者が来てくれるのか。

 これは、チャンスかな。

よろしければ、ポイント評価もよろしくお願いします。

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