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40話

 トロール相手に戦争をしてから1週間がたった。

 死んだオーク達、オーガ達を手厚く埋葬した。

 急遽墓場を作り戦闘に参加したもの、しなかった者も全員で哀悼の意をささげた。


 いつまでも感傷に浸ってはいられない。魔族の国の道づくりも再開させねば。

 ドワーフ王国にも行ってみたいし、人間の国にも行ってみなければ。

 特に人間の国は勇者が誕生したと聞いた。

 モンスターだらけのエデンが向こうから見てどう、捉えられるかを知らなければならない。

 魔族の国とのようにうまく国交を結べる国だけではないだろう。


 僕は魔王ブレニンに手紙をだした。

 ドワーフの国や人間の国、獣人の国と魔族間の関係について。

 返事はすぐに帰って来た。

 どうやら、どこの国もほとんど、国交を持ってないらいしい。

 出来るなら、エデンが仲介役とし立って欲しい旨が書かれていた。

 だが、人間の国のだけは、気を付けるように書かれていた。

 問題の勇者について、勇者は真っすぐな気持ちを持つがために堅物の可能性が高い。

 善と悪を完全に区切るような存在らしい。

 エデンのようなモンスターとの共存している国はなく、敵対してくるかもしれないのだと。

 ブレニンも僕と似たような意見みたいだ。

 そうすると、後は、ドワーフか獣人のどちらかに使者を出して行くことになる。

 エデンで獣人と言えば、ポチ、クロ、シロの3人。

 この3人だけにまかせるのは、心もとないからやっぱり僕も着いて行く方がいいだろう。

 次にドワーフの国だが、エデンにドワーフはいない。

 やはりここも僕が行く事になる。

 ここは、エデンに移住してきた、ハイエルフの3人について来てもらう必要があると思う。

 同じ妖精種だし、もちろん仲がいいか確認しての話になるだろうけど。


 ハイエルフ達から話を聞いた。

 実際に仲が悪いわけではないが、いい関係でもないらしい。

 この世界はつくづくどこの国も和平という言葉を知らないのだろうか?

 300年以前からの種族間での争いを止めなければ、いずれはどの国も衰退していく可能性だってありえるのに。

 現に魔族の国とは上手くいった。

 最初のエルフの国では上手く行かなかったが、いずれは手を取り合いたい。


 話が大幅にずれたけど、まずはできることから、魔族の国との国交は取り交わされた。

 後は、実際にお互いの貿易が始まるのまつばかりだ。

 最初にしたのは、まずは食料支援をこちらからおこなった。

 瘴気で作物が育ちにくい土地になっていたからだ。

 いくら清浄の木を植えたからといってもすぐに作物が育つはずがない。

 エデンの作物が異常なほど早いのは僕の世界樹の能力のおかげだからだ。


 「さて、エデンもこれでしばらくは落ち着くだろう」


 「そうですね、オーガ達も我々に恭順しています。これもユキ様のお力かと思います」


 「僕の力、か。そうだね、エデンの王は僕だからね。でもミント、みんながいたからこその力だよ。オーガ達もいずれは、恭順ではなく共存の道になっていくだろう。今回の戦いでみんなの気持ちが1つになっていたからね」


 「パパの力にアウラもなってる?」


 「もちろんだよ!アウラの存在が僕を頑張らせてくれているんだから」


 僕とミントにアウラ3人で話ながら道を歩く。

 トロール達の戦いで傷ついた建物や城壁を補修工事を視察にきているのだ。

 特にやることもないからね。

 視察という散歩をしているとオーガの族長ガーグに会った。


 「これはエデン王、このようなところまで視察にこられるとはありがとうございます。叉、我々オーガの一族を受け入れて下さった事にも重ね重ね感謝しております」


 そう言って、跪くガーグ。

 それを見た他のオーガ達も跪く。


 「その件に関しては、もういいって言ってるだろ?これからはエデンの民として他の種族とも仲良くするんだよ。ここは、みんなが共存できる国なのだから」


 「はい、わかっております。我らが助けに応え、このような国をおつくりになったエデン王こそが至高の存在なのですから、そのお考えに賛同いたします」


 うん、思いが強いねガーグは。

 まぁ、ピンチを救ってもらったんだから感謝するのは当たり前か。

 僕もよく昔は親に言われたっけ、なにかしてもらった、当たり前と思わず。

 ありがとうっと言葉に出しなさいって。

 

 オーガ達の家も着々と出来上がっていく。

 やはり力が強いだけあってオーク達の何倍もの木材を一気に運んでいる。

 これは予想より早くできあがりそうだ。


 「これかもよろしくねガーグ。期待しているよ」


 僕は感謝の気持ちを込めて手をさしだした。

 

 「はい、こちらこそよろしくお願いしますエデン王」


 僕はガーグと握手した。

 するとなぜか後ろにいたオーガ達も何を勘違いしたのかガーグの後ろに並びだして、急遽の握手会が始まった。

 なにこれ、どこのアイドルグループの真似事ですか?

 それでも民の願いと思いオーガ達全員と握手した、もちろん感謝の気持ちを込めて。


 次の日の事だった。

 いつものように散歩じゃなくて、視察にアウラとミントを連れて歩いていると突然見知らぬ人があらわれた。

 

 「エデン王!このガーグより一層の忠義を王に捧げます」


 見知らぬ人はガーグと名乗った。

 はて?昨日のガーグはもっとモンスターぽい奴だったけど、今目の前に居るのはイケメンの鬼がいた。

 それも人間に近い形で。


 「エデンの王のお力で我々ただのオーガだったものが伝説と言われる鬼人きじん族になれました」


 そんな特別なイベントでも昨日あっただろうか?

 握手会しかおもいつかないけど、あれだけで進化できたの?

 進化ってそんな簡単なものじゃないでしょ!?

 これは、検証が必要なのでは?


 「パパはすごいね!伝説だって!すごい!」


 アウラの眩しい笑顔がすごいけど、意図してやったわけではないんだけど。


 「流石は旦那様ですね、これで鬼人たちもより一層エデンの為に働くでしょう」


 ミントも軽くながしてるけど、これは握手が原因なの?

 感謝を込めたつもりが違うものも込めた感じ?


 実験を兼ねて今度は通常種のオーク達とも握手した。

 次は意識をしてみて、エネルギーを送る感じで。

 オーク達もオーガが進化したのを見てるからみんな興奮している。


 結果、次の日にはオーク達、通常種はハイオークに進化していた。

 流石に内にもともと居たエンペラーオークには進化できないようだけど。

 知性も上がっているのか、言葉もみんな流暢にしゃべりだしている。


 これは、もしかして、ゴブリンとかも捕獲して知性を上げれば戦力的にも国民を増やす意味でもありなのか?

 それこそ、獣たちも。


 これは、あれだな、うん。

 また会議してみんなの意見を求めてみよう。

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