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戦国ゲームで18歳の武将を作成したら、戦国時代に転移していた~秀吉の立身出世スキルと製造業スキルで成り上がる~  作者: にゃがまさ
戦国転生編

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2/22

危険回避

「……面白くなってきたな」


俺は散らばった木材を見ながら、そう呟いた。


だが、すぐに気持ちを切り替える。


今はそんなことを考えている場合じゃない。


「まずは、この荷車だな」


俺は倒れた荷車に近づいた。


車輪。


車軸。


荷台。


積まれていた木材。


一つずつ確認していく。


「……やっぱりか」


車軸が少しずれている。


しかも、積み荷が左右で偏っていた。


これでは走っている途中で荷車が大きく揺れる。


「この荷車、いつもこんな状態なんですか?」


俺が尋ねると、男は困った顔をした。


「いや……今日は荷物を多く積んでおってな」


「なるほど」


俺は荷車の周りを歩く。


車輪の取り付け部分にも、少しガタつきがある。


「これ、かなり危ないですよ」


「やはりそうなのか?」


「このままだと、また荷車が傾くかもしれません」


男は荷車を見つめた。


「そうか……」


「でも、直せますよ」


「直せる?」


「ええ」


俺は頷いた。


「少し手を入れれば、もっと安定させられると思います」


男は驚いた顔をする。


「荷車を見ただけで、分かるのか?」


「仕事で似たようなことをしていたので」


もちろん、現代の工場で荷車を作っていたわけではない。


だが、問題を見つけて原因を考える。


その考え方は同じだ。


「……やっぱり、製造業の経験は使える」


五十三年間、生きてきた。


その中で、三十年以上を製造業の現場で過ごしてきた。


現場を見て。


問題を見つけて。


原因を探して。


改善する。


その経験が、ここでも役に立つ。


「面白いな……」


思わず笑みがこぼれた。


そのとき、あんこが俺の服を引っ張った。


「お兄ちゃん」


「ん?」


「助けてくれて、ありがとう」


「ああ」


俺は笑って頭を撫でる。


「怪我がなくてよかったな」


そこへ、先ほどの男が頭を下げた。


「本当に助かった」


「気にしないでください」


「そうはいかん。娘を助けてもらったんじゃ」


男は改めてあんこを見る。


「わしは与四吉。この子は、あんこという」


「あんこ……」


俺はあんこを見る。


「俺は鈴木正男。よろしくな、あんこ」


「うん!」


あんこが笑った。


その笑顔を見ていると、ここが戦国時代だということを忘れそうになる。


だが――。


俺は周囲を見渡した。


舗装されていない道。


木造の家。


農作業をしている人々。


現代とは何もかも違う。


本当に、俺は戦国時代にいる。


「……鈴木さん」


与四吉が声をかけてきた。


「はい?」


「これから、どこへ行くんじゃ?」


「……」


そう言われて、俺は言葉に詰まった。


行く場所なんてない。


帰る家もない。


知り合いもいない。


身分もない。


あるのは――。


三十年以上の製造業経験と、よく分からない能力だけ。


「実は……」


俺は少し考えてから答えた。


「まだ決まっていません」


「そうか……」


与四吉は少し考える。


「なら、今日はうちに来んか?」


「え?」


「腹も減っておるじゃろう」


そう言われて、腹が鳴った。


「……」


「「ははは!」」


与四吉とあんこが笑う。


「決まりじゃな」


俺は少し恥ずかしくなりながら、頷いた。


「ありがとうございます」


与四吉とあんこと一緒に歩き始める。


その途中。


俺は何度も荷車を振り返った。


「……やっぱり気になるな」


「何がじゃ?」


「荷車です」


「荷車?」


「はい」


俺は立ち止まった。


「車軸の位置を少し直して、積み荷の載せ方を決めるだけでも、かなり安定すると思います」


「材料さえあれば、試せそうだな」


俺はそう呟いた。


すると、頭の中に声が響いた。


【改善対象を確認しました】


「……え?」


思わず足を止める。


だが、目の前には何もない。


「今のは……?」


俺は首を傾げた。


前に見た、あのステータス画面。


あれをもう一度確認できないだろうか。


「ステータス……」


そう呟いた瞬間だった。


目の前に、半透明の画面が浮かび上がった。


━━━━━━━━━━━━━━━━


【鈴木 正男】


年齢:18歳

身分:不明

石高:0石


統率:72

武勇:28

知略:83

政治:87


【兵科適性】


足軽:C

騎馬:D

弓:C

鉄砲:A

水軍:D


【スキル】


危険予知:Lv.5

【NEW】危険回避:Lv.1

5S:Lv.5

改善思考:Lv.5

標準化:Lv.5

品質管理:Lv.5

工程改善:Lv.5

生産性向上:Lv.5

安全意識:Lv.5

立身出世


【経験】


危険回避:20


【現在の改善対象】


荷車


【改善状況】


未着手


━━━━━━━━━━━━━━━━


「……出た」


俺は画面を見つめた。


前に見たものと、ほとんど同じだ。


「『危険回避:Lv.1』が増えてる。これは荷車を回避出来たから新たに獲得したということか」


『危険回避:Lv.1』を見つめた。


画面が追加された。


━━━━━━━━━━━━━━━━


【危険回避】


Lv.1


【効果】


危険な状況に遭遇した際、身体が危険を回避するための動きを取りやすくなる。


危険の発生場所や進行方向を判断し、安全な位置へ移動する能力が向上する。


【成長条件】


危険回避に成功することで、経験を獲得する。


経験が100に達すると、危険回避が次のレベルへ上昇する。


【最大レベル】


Lv.5


━━━━━━━━━━━━━━━━


「やはりそうだ。このスキルは戦国時代では、かなり有効なんじゃないか」


次に俺は荷車を見る。


すると、画面の一部が変化した。


━━━━━━━━━━━━━━━━


【改善対象:荷車】


問題点:


・車軸のずれ

・車輪取り付け部のガタつき

・積み荷の偏り


改善難易度:低


改善による効果:


・走行安定性の向上

・転倒事故の防止

・作業効率の向上


━━━━━━━━━━━━━━━━


「……なるほど」


思わず声が漏れた。


まるで工場で使っていた改善シートみたいだ。


「俺が三十年以上やってきたことと同じだ」


俺は画面を見ながら笑った。


「まさか、こんな形で役に立つとはな」


俺は荷車を見る。


「まずは、この荷車からだな」


しばらく荷車を見続けてみた。


「さすがに材料と工具は出てこないか」


「そりゃ、そうだよなあ」


「そこまでチートじゃないよな」


一旦、改善は諦めて、与四吉の家に行くことにした。


与四吉の家に着くと、あんこが元気よく走っていく。


「お母ちゃん! お客さん!」


家の中から女性が出てきた。


「まあ……どなた?」


「今日、あんこを助けてくれた人じゃ」


「まあ!」


女性が驚いた顔で俺を見る。


「本当にありがとうございます」


「いえ、そんな……」


俺は頭を下げた。


すると、また腹が鳴った。


「……」


「ふふっ」


女性が笑う。


「まずはご飯にしましょう」


「……ありがとうございます」


こうして俺は、戦国時代で初めての食事をすることになった。


そして――。


この小さな荷車の改善が、俺の戦国時代での最初の仕事になる。


俺はまだ知らなかった。


この小さな改善が、やがて俺の人生を大きく変えていくことを。


━━━━━━━━━━━━━━━━


【鈴木 正男】


年齢:18歳

身分:不明

石高:0石


統率:72

武勇:28

知略:83

政治:87


【兵科適性】


足軽:C

騎馬:D

弓:C

鉄砲:A

水軍:D


【スキル】


危険予知:Lv.5

【NEW】危険回避:Lv.1

5S:Lv.5

改善思考:Lv.5

標準化:Lv.5

品質管理:Lv.5

工程改善:Lv.5

生産性向上:Lv.5

安全意識:Lv.5

立身出世


【経験】


危険回避:20


【現在の改善対象】


荷車


【改善状況】


未着手


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