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戦国ゲームで18歳の武将を作成したら、戦国時代に転移していた~秀吉の立身出世スキルと製造業スキルで成り上がる~  作者: にゃがまさ
戦国転生編

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1/21

53歳会社員、戦国ゲームで作った18歳の武将になる

俺の名前は、鈴木正男。


53歳。


独身。


どこにでもいる、ごく普通の会社員だ。


ただし、製造業だけは長かった。


高校を卒業してから35年。


工場で働き、現場の改善や品質管理、生産性向上に関わってきた。


人付き合いが苦手な俺は、仕事が終われば家で酒を飲みながら戦国時代のゲームをする毎日だった。


上杉謙信や武田信玄など色んな武将でプレイした。


特に好きだったのは、豊臣秀吉だった。


農民から天下人へ。


その出世の物語は、何度見ても面白かった。


いつものように俺は戦国ゲームをしていた。


「よし、次の武将は俺の分身を作ろう」


「秀吉みたいに浪人からスタートで」


「年齢は18歳にしよう」


「能力値は、俺はスポーツは全然ダメだから武勇を低めで内政タイプにしよう」


「兵科適正は機械の扱いは得意だから鉄砲をAにしよう」


「馬には乗れないから騎馬D」


「泳げないから水軍D」


「スキルは秀吉と同じ立身出世をつけよう」


「これで早く出世出来る」


「秀吉がいる尾張で1554年からスタートだ」


その瞬間だった。


――ゴロゴロゴロッ!


突然、激しい雷鳴が響いた。


「うわっ!」


窓の外が、真っ白に光る。


次の瞬間。


ドンッ!


強烈な光に包まれた。


「なんだ……これ……」


意識が遠のいていく。


そして――。


目を開けた。


「……ん?」


青い空が見える。


雲がゆっくり流れていた。


「ここ……どこだ?」


起き上がろうとした瞬間、違和感に気づいた。


「……手?」


目の前にある手が、妙に若い。


皺がない。


シミもない。


肌も張っている。


「なんだ、これ……」


立ち上がってみる。


体が軽い。


まるで別人の体のようだった。


「……あれ?」


目の前の景色が、妙にはっきり見える。


遠くの木々まで、くっきりと見えていた。


「老眼も……治ってるのか?」


近くの文字を見るときには老眼鏡が必要だった。


それなのに、今は何も必要ない。


「……腰が、痛くない」


いつもの腰痛がない。


膝も確認する。


「膝も……」


曲げ伸ばししてみる。


痛くない。


「腰痛も膝の痛みも……治ってる」


さらに、自分の腹を触ってみる。


「……ん?」


いつもなら、シャツの上からでも分かるくらい出ていた腹が――。


「へこんでる……」


すっかり定着していたビール腹。


仕事が終わった後の一杯が楽しみで、いつの間にか大きくなっていた腹が、きれいになくなっている。


「ビール腹まで……」


思わず自分の体を見回す。


「若返ったみたいだな……」


近くに小さな水たまりがあった。


俺は、その水面を覗き込んだ。


そこに映っていたのは――。


若い男だった。


黒い髪。


皺のない顔。


「……俺、なのか?」


水面に映った自分を、しばらく見つめる。


「いったい、何歳になってるんだ……?」


その瞬間。


頭の中に、声が響いた。


【能力を確認しました】


━━━━━━━━━━━━━━━━


【鈴木 正男】


年齢:18歳

身分:不明

石高:0石


統率:72

武勇:28

知略:83

政治:87


【兵科適性】


足軽:C

騎馬:D

弓:C

鉄砲:A

水軍:D


【スキル】


危険予知:Lv.5

5S:Lv.5

改善思考:Lv.5

標準化:Lv.5

品質管理:Lv.5

工程改善:Lv.5

生産性向上:Lv.5

安全意識:Lv.5

立身出世


━━━━━━━━━━━━━━━━


「これ? 俺が設定した武将の能力だ」


ゲームのステータス画面。


そうとしか思えない。


だが、これは夢じゃない。


俺は自分の手を握った。


確かな感触がある。


「スキル……。増えてるぞ」


危険予知。


5S。


改善思考。


標準化。


品質管理。


工程改善。


生産性向上。


どれも、俺が三十年以上の製造業で身につけてきたものだった。


「俺の経験が……スキルになったのか?」


『立身出世』を見ていると画面が変化した。


━━━━━━━━━━━━━━━━

【立身出世】

功績の獲得量が増加する。

━━━━━━━━━━━━━━━━


ワクワクしていた。


「すごい、俺が設定した秀吉のスキルだ!」


俺は立ち上がった。


周囲を見渡す。


見えるのは、田畑。


遠くには山。


舗装された道路もない。


電柱もない。


車もない。


そして、俺の服も現代のものではなかった。


俺は近くを歩いていた農民らしき男に声をかけた。


「あの、すみません!」


男が振り返る。


「なんじゃ?」


「ここは……どこですか?」


「どこって……尾張じゃが」


心臓が大きく跳ねた。


「……今は、何年ですか?」


農民は不思議そうな顔をした。


「天文二十三年じゃ」


「天文二十三年……」


頭の中で計算する。


天文二十三年。


西暦に直せば――。


「1554年……」


間違いない。


俺は戦国時代に来てしまった。


しかも――尾張。


「尾張も年数も俺が設定した通りだ」


思わず呟いた。


農民が俺の顔を見る。


「おぬし、どこから来たんじゃ?」


う~ん、何て答えよう。


正直に未来から来たと言うわけにもいかないし。


「……美濃です」


「美濃か。歳はいくつじゃ?」


「十八です」


農民は俺の顔を見て頷いた。


「確かに、それくらいには見えるのう」


「……ですよねぇ」


俺は苦笑した。


だが、心の中では別のことを考えていた。


1554年の尾張。


そして、俺と同じ十八歳。


俺が知っている歴史なら――。


「秀吉も、この時代にいる」


まだ木下藤吉郎と呼ばれている頃だろう。


「……面白い」


そのときだった。


【危険を検知しました】


「え?」


突然、頭の中に警告が響いた。


振り向く。


遠くから、猛烈な勢いで荷車が走ってくる。


「危ない!」


荷車の進行方向には、小さな女の子がいた。


「おい! そこの子!」


「え?」


女の子が振り返る。


だが、動けない。


俺は考えるより先に走り出していた。


「動くな!」


荷車の正面には入らない。


横から回り込む。


女の子に手を伸ばす。


「こっちだ!」


俺は女の子の腕をつかみ、思い切り引っ張った。


「きゃっ」


その直後――。


ガシャーン!


荷車が大きく傾いた。


積まれていた木材が地面に散らばる。


俺と女の子は、そのまま草むらへ転がった。


「大丈夫か?」


女の子は呆然と俺を見る。


「……うん」


「怪我はないな?」


女の子が頷いた。


その直後、遠くから男が走ってきた。


「あ、あんこ!」


男はあんこを抱きしめる。


「よかった……!」


俺は立ち上がり、倒れた荷車を見る。


「……なるほど」


荷車はかなり無理な状態だった。


車軸が少しずれている。


積み荷も片寄っている。


これでは、走ったときに荷車が大きく揺れる。


「これなら……改善できるな」


思わず口に出ていた。


男が俺を見る。


「カイゼン……?」


「いや、なんでもない」


俺は荷車を見つめた。


まさか、この時代に来て最初に見つけた問題が――。


製造業の改善対象になるとは。


そして、その瞬間。


【危険回避の動きを確認しました】


【新しいスキルを獲得しました】


【危険回避:Lv.1】


俺は空を見上げた。


五十三歳だった俺が、十八歳の身体になった。


そして今――。


戦国時代で、新しい人生が始まった。


「……面白くなってきたな」


この尾張のどこかに、秀吉がいる。


同じ十八歳の青年として、今を生きている。


ならば――。


俺も負けるわけにはいかない。


製造業で培った知識を武器に、俺は俺のやり方で出世してやる。


そしていつか、秀吉と肩を並べてやる。


━━━━━━━━━━━━━━━━


【鈴木 正男】


年齢:18歳

身分:不明

石高:0石


統率:72

武勇:28

知略:83

政治:87


【兵科適性】


足軽:C

騎馬:D

弓:C

鉄砲:A

水軍:D


【スキル】


危険予知:Lv.5

【NEW】危険回避:Lv.1

5S:Lv.5

改善思考:Lv.5

標準化:Lv.5

品質管理:Lv.5

工程改善:Lv.5

生産性向上:Lv.5

安全意識:Lv.5

立身出世


【経験】


危険回避:20


【現在の改善対象】


荷車


【改善状況】


未着手


━━━━━━━━━━━━━━━━



はじめまして。

読んでいただき、ありがとうございます。

主人公の正男は、作者である私自身をモデルにしています。

これまでの仕事で培ってきた経験や知識を生かした小説を書いてみたいと思い、この作品を執筆しました。

戦国時代を舞台に、成り上がっていく正男の物語を、楽しんでいただけたら嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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