二度寝させて!
待たせてすみませんでした。
二章の幕間より三章の一話目が速く完成したから、
先に三章をあげます。
1
リフィックスに来て、すでに一ヶ月も経っちまったのか。
今日はオクト月の一日目、まぁ十月一日ってことさぁ。毎日の日付をあんまり覚えてないから、多分そうだと思う。
陽射しはとても眩しい。そうか、まだ朝七時くらいか……
仕方ない、トイレに行ったあと、再び二度寝して、昼まで寝ようっと。
ネコはタマゴに寄り添って気持ちよくすやすやと寝ている、起こしたら傷口が増やしちゃう。
それにしても……もう二週間だぞ。なのにどうしてなんの変化もないの?やっぱり暖かさが足りないかな?そうよね、どうせオレは冷気しか出せない壊れたエアコンだ……
ドアを開いて音を立たずに閉めたあと、その上にくっついてる変なものを発見しちゃった。
封筒で密封してるから、恐らく中身は手紙なんだろ。いやだな……絶対に何かの迷惑なことに巻き込まれちゃうから、開かないほうが得策だろね。ほら、前みたいにタマゴが無理やりに押し付けされたこともあるし。
無視するか、あるいは凍って粉々に握りつぶしたほうが良いかな?
「おはようございます、ディケイさん♪」
「……相変わらず寝ぼけて間抜けな顔だね。」
間抜けな顔をしてて本当に悪かったわ!寝ぼけてると言われても、先まで寝ていたもん!
お前ら早起きだね……あっ、そうだ。今日はウィンラング魔法学園が主催する体験入学の初日だった。
まぁ、頑張れよ~オレは寝ながら応援するぞ。
「……でいうかあんた、どうしてまだパジャマを着ているの!?早く準備しないと遅刻するわよ!!」
「遅刻って……自慢じゃないがオレは無職だ。パジャマを着ているのはこのあと二度寝するつもりだからだ。」
「親父のバカ……もしかしてなにも言ってないの!?」
「大事なことを早く言ってって、何度もお父様に言いましたのに!」
「はぁ?ライガードのやつ、また何かをやらかした?」
「ちょっと待って、あんたが持っているのはなに?」
「ドアにくっついてあった手紙らしい物、差出人は分かんないし、読む気もないから、今捨てようと思ってな。」
「お姉ちゃん、その手紙もしかして……」
「その手紙、早く寄越して!」
奪わなくてもその手紙をあげるつもりなんだから。
警戒心が高いか性格が攻撃的なのか、根は良い子だけどさぁ。あれ?何でオレはお父さん目線で語ってるの!?
良いや、早くトイレに行かないと。
「信じられないッ!!あのクソ親父が!」
「落ち着いてお姉ちゃん……ディケイさん、これはディケイさん宛の手紙です。バカなお父様からの……」
この嫌な感じしか溢れてない手紙を書いたのはライガードなの?でいうか話したいことがあるなら、なんで昨日言わなかった?
読みたくないけど、これは読むしかないパターンだな。
紙に書いてあった内容は、たっだ三行。じゃ紙切れでもいいじゃん!
『やらなきゃいけない用事が急に入って、
暫くリフィックスに戻らないから、
娘たちは頼んだぞ、ディケイ!』
よし、死刑確定だな。
まさか丸投げだとは、信じられない!
あんたの娘たちより重要な用事ってなんだよ!?せっかく最近あんたらの関係が修復しそうなのに、これじゃ無駄になるじゃん……
やりたくないし、面倒くさいし……はぁ、さっさと終わらせて二度寝しよ……
「ライガードについては……あいつがリフィックスに帰ったあとで一緒に相談しよ。とりあえず、オレはなにをすればいい?」
「バカ親父が帰ってくるまで、あたしたちの仮の保護者になるのよ。」
…………だが断る!
2
全力で断ったけど、未来を変えることはできなかった……
そのあとガスまで来て、他の客に迷惑をかけるな!と叱られちゃって、大人しく二度寝を諦めて外出用の服に着替えた。
ちなみに、今着ている服は新しく買った服ってね。まぁ、もちろん自腹ではないさぁ。使ったのは金ぴか坊っちゃんから漁った三十枚の金貨だ。
いつも着ている服はペガサスのイメージしかないから、暫くクローゼットの中に封印した。新しい服は青と白をメインにした。前回の黒いベストは白いロングベストに変えて、Tシャツはネイビーブルーとスカイブルーを使ったドット風に見える柄。
一応やばいことに遭いたくないため、白い髪を隠す用のウィッグも買っちゃった。氷魔法をメインに使ってるので、薄めの青いショートウィッグに決定した。
んで、ミス姉妹と一緒に小さいコネクトブリッジにで、ウィンラング魔法学園に向かって進んでいる。
まさか学園の生徒たち専用の馬車があるとは……無料っていいよね!
「ディケイさん、どうしてウィッグを被っていますの?」
「男で白い髪って目立つじゃないか、だからウィッグで隠した。変なトラブルに巻き込まれたくないし。」
だってウィンラング魔法学園にで、あの白いものが大好きな変態が居るでしょう……正直この学園に近づきたくないんだ。
リウスとヴェルも居るし、多分……大丈夫かな?
「しかも一応オレは雪女だから、余計に目立っちゃうだろ。」
「未だに信じれないね、男のフロティストがあるたなんて。」
「体験入学の間にお友だちができるかどうか、ちょっと心配です……」
「平気っ平気~エラには無理かもしれないけど、エルなら友だちができるよ。だからもっと自信を持ってね。」
「あたしには無理ってどういうことだおい!でいうか気安くエラと呼ぶな!!」
「んじゃあ暴れドラゴン?」
「より質が悪いあだ名になっちゃったじゃないか!?」
ちょっと!このドラゴン娘超ッ面倒くさいですけど!あだ名で呼ぶのがダメだったら、どう呼んでくれて欲しいの?
呼び方を決めないと、勝手にあだ名を決めちゃうぞ。
「ディケイさん~私のことは是非エルで呼んでください!」
「仕方ない、放って置いたら変なあだ名で呼ばれちゃうから、ミスエラで呼んでくれ。」
「分かったそうするよ。それにしても、あんたらは体験入学でなにをするの?」
一々フルネームで呼ぶのが長いから、偶にエラで呼ぼうか。もちろん独り言でね。
「普通に他の生徒と一緒に授業を受けるだけ。」
「私たちは一ヶ月の間、Aクラスに分配されて、教師と冒険者や騎士になった卒業生の方々の授業を受けるです。」
「ということは魔法の授業もあるの?」
「当たり前のことを聞くってあんたバカ?」
魔法の使い方を更に増やすのが面白いけど、魔術のほうがオレにもっと興味を持たせる。
確かに今のオレは魔粒子が見える特別な人のように偽装できる。しかし、もし魔粒子が使えない状況があったら、念のため魔術について学んだほうがいい。
ぶっちゃっけ偽装の一部にも約に立てるしね。
「オレも体験入学やってみようかな?」
「え?ディケイさんも体験入学します?一緒にしましょう!」
「かもね、時間さえあればオレも申請してみよ。」
あっ、馬車が止まった。もうウィンラング魔法学園に着いた?
馬車から出たら、大きい扉が目の前にあった。そして扉の両サイドには鎧纏いの騎士らしい人とフート付きロープを着ている魔法使いらしい人が立っている。多分こいつらは門番だろ?
話を掛けようと思ったら、扉がいきなり開いて、なぜか執事服を着ている人が現れてきた。
長くて柔らかい黒髪を一束に集まってローポニーテールにした髪型、金色の瞳に見つめてもなにかを考えているのかまったく読めない。服装は黒い執事服だけど見覚えのある白い花の模様がちょいちょい見える。あれって確かサイカだよな?
生きている人とは思えないほど白い肌、身長はオレとほぼ同じで、中性的な外見だけど本当は女性なの。
名前はウィズ。ウィンラング魔法学園の学園長で、しかも奴隷売り場のオーナー。ある意味リフィックスにで最も権力を持ってる人だとオレはそう思う。
え?なんでそんなど偉い人を知ってるのって?色々があってつい二週間前に会ったことがあるけど、やっぱりここは初めて会うふりにしよう。
「ようこそウィンラング魔法学園へ。ミスエラさんとミスエルさんに会うのは二回目ですが、初めて会う人も居るから、私が先に自己紹介をしましょう。」
そう話している間に、こっちをガン見してるんですけど。まぁ、お互い会ったことがないふりで行こうってことか。
「私はウィズです。このウィンラング魔法学園の学園長を、同時に今不在となった理事長の役割も務めています。」
「えっと、初めまして、私はディケイと申します。現在は彼女たちの仮の保護者を無理やりに務めさせられています。ウィズ学園長、どうぞよろしくお願いします。」
なんでだろ……敬語を使ってるオレって気持ち悪いな……
それより、早く説明して、帰って寝たいわ。
「では、先に到着したもう一人の体験入学がしたい女の子は、学園長室で待っているので、まずは学園長室に行きましょうか。」
パチンっと、ウィズが指を鳴らしたあと、元々ウィンラング魔法学園の正門前にいるはずのオレたちは、い気づいたらすでに部屋の中に居た。
なに!?まさか空間魔法!?でも座標はいつ仕掛けたの?
ウィズが言ったように、オレたち以外にも先着した女の子一人と保護者らしい男性が三人も居た。
「説明が始める前に、ミスエラさん、ミスエルさん、それとイリスさん、折角だから自己紹介でもしませんか?」
「あっ、はい、分かりました。じゃああた……わたしから始めましょう。わたしは――」
やめて!これ以上時間をかかないで!!
眠気が、眠気がどんどん消えている――ッ!!
「ボクはイリス、フラグティオスから来ました。ミスエラさんとミスエラさん、この一ヶ月間、どうぞよろしくお願いします。」
フラグティオスから来た、イリスという少女は、エラやエルより年下みたい。
髪型は肩まで届くちょっとパーマで淡紅色のセミショート、身長はオレの胸元にしか届いてない。けっこうちっちゃい子だな、もしかして年下?見た目から判断すると12歳か13歳か。
他の三人の男性と同じく全身マントを着ているから、中の服装についてはよく分かんない。
でもね、一番大事なのは、少女の頭の上に耳が付いていますよ旦那ッ!しかもオレが大好きな猫耳なんすよ!!
心を込めて頼んだら触らせてくれないかな?あのなぜか淡紅色ではなく、毛並みが良くてふわふわで白い猫耳を。
あれ?どうしてこっちをガン見してるの?まさかオレの邪念がバレた?
「どうやら自己紹介は終わったらしいね。では体験入学について説明を始めましょう。まず、体験入学の期限は今日、オクト月の一日目からディセン月の二十日目まで、合計ほぼ二ヶ月の間に行ないます。」
「に、二ヶ月って、あたし聞いてない!?」
この文句はエラのじゃなくて、オレが言い出した文句だ。
それを体験する三人ども一ヶ月と言ったのに、なぜか肝心の学園長&仮理事長が急に二ヶ月に変えるたなんてダメじゃん!
もっと早く言ってよ!!
もし追加料金があったら、ライガード、オレは死んでもお前のことを許さないぞ!!ただでさえオレは貧乏なのに!
「理由があって、今年の体験入学は冬休みにまで延長します。ですが、心配ありません。延長するとは言え、体験入学は相変わらず無料です。なので、追加料金なんてありません。」
よ、よかった……ライガードを半殺しにする必要がなくて本当に良かった……
「三人はAクラスに分配されて、色んな知識を学びます。そして、最終日にで正式入学をするかどうか、改めて聞き直すから、答えはその日までゆっくり考えておいて。」
ふ~ん、正式入学しなくても良いか、人材を発見したら強制的に入学させようと思ったのに。さすがにそんなのしないだな。
話を聞くと説明はもうすぐ終わっちゃいそうみたいで、よっしゃーッ!やっと二度寝ができるんだ!!
「はい、これで体験入学についての説明が全部終わりました。続いては教師について学園の施設と教室を参加しに行きましょうか。もちろん、保護者の方々もついて行っても構いませんよ。」
えぇ~ッ、まだ続くの!?もう良いって、帰らせてよ!
学園の参観なんてしたくないし、でいうか変態に会っちゃいそうし!
「シオン先生、学園の案内はお願いしても良いですか?」
「分かりました、学園の案内はワタシに任せてください。ワタシはシオンと申します、主に魔法を教える先生です。では、ミスエラさん、ミスエルさん、イリスさん、あと保護者の方々、ワタシに付いてきて。」
あの……本当に申し訳ないけど、先に帰っていいっすか?
興味ないっす、今はただ二度寝がしたいっす!!
タイミングを良く見て、こっそりと案内から逃げ出すしかないな……
「ディケイさん、お待ち下さい。ミスエラとミスエルについて、訊きたいことがあります。ちょっと時間を頂いてもよろしいでしょうか?」
えぇ……嫌がらせ?絶対に嫌がらせだよね!?
あんたが知りたいことはオレはまったく知らないから、本物の保護者に訊け!
うさんくせー笑顔でニッコリとこっちに聞いてるけど、絶対に関係ないことを話すよね、オレ分かるだもん!
「分かりました。ミスエラとエルは先に行って、あとで追いつけるから。」
「あんたが居なくてもなにも変わらないから、追いついてこなくてもいいわよ。」
「お姉ちゃんったら……ディケイさん、私たちは先に行きます。あとで会いましょう。」
と、シオンという先生を含めて合計七人が学園長室を出た。
残っているのはオレと学園長であるウィズだけ。
「もう敬語を使わなくてもいいよね?敬語を使いすぎて蕁麻疹が出ちゃったよ……」
「別に構わないよ、こっちも敬語を使うの飽きちゃったし。それに、僕に十分の敬意を込めた敬語を使わせる相手は、この世にたっだ一人しかないからさぁ。」
「で、訊きたいことなんて最初からないだろ?だったらオレもう帰るぞ。」
「そうだね、訊きたいことがあるってのはただの口実。」
……だと思ったわ。
本当に頼むから、オレを帰らせてよ!
「うちで働かない?」
「いや……それ前回聞いたし、オレ味ちゃんと断ってたし。」
「確かにね、じゃあ聞き方を変えよ。ディケイ……いや、ツカサと呼ぶほうが好みかな?この学園で働かないか?」
突然だが、このウィンラング魔法学園の学園長&臨時理事長としてのウィズにスカウトされた。しかもなぜか本名がいきなりバレた状態で。
こいつは……一体なにを企んでいるの……
これにで、三章が始まります。
舞台は相変わらずのりフィックスですが、
二章にで説明していなかったウィンラング魔法学園を含めて、
三章は詳しく説明する、、、だと計画しています。
二章の幕間について、4つの幕間があるけど、未だに一つしか終わっていないから、
もう暫く、期待しないように待ってください。




