リアルより2次元でしょ
「佐条さんって、彼女作らないんですか?」
昼休憩に弁当を食べていると、よくクラスでつるんでいる西野 雅が訳の分からないことを聞いてくる。
「何だよ、急に。」
「いや、前々から気になってて。なんで彼女作らないのかなーって。」
「なんでって、そう言うお前は彼女がいたことすらないだろうが。」
「……まぁ、確かにそうですけど……そう言う佐条さんは、彼女いたことあるんですか?」
「あるって言うか、現在進行形でいるぞ。」
「えっ!?」
俺がそう答えると、西野はとても驚いた顔でこちらをを見る。
「佐条さん、彼女いたんですか!?」
「あぁ、いるぞ。」
「……ちなみに、どんな子なんですか?」
そう聞かれ、俺はスマホの写真アプリを開き、彼女の写真を見せる。
「ほら、この子が俺の彼女。」
「………………」
俺の彼女の写真を見て、西野は無言になる。しばらくすると、信じられないという感じ目を俺の方に向けて言う。
「……………………佐条さん。」
「何だよ。」
「さすがに2次元のキャラを彼女って呼ぶのはどうかと思いますよ。」
「はぁ?アリスたんのどこがダメってんだよ。」
「2次元のキャラを彼女にカウントするのはキツイですって!」
このクソ野郎、さっきから聞いてみれば人の彼女(推し)のことを好き勝手いいやがって。
「2次元が彼女で何が悪ぃんだよ、あぁ?」
「いやいや!2次元をとやかく言う気は無いですけど、さすがにこれはアウトですよ!」
「俺にとっては現実の女の方がアウトだわ。あんな性悪どもよりも、アリスたんの方が何億倍も魅力的に決まってんだろうが、しばくぞコラ。」
「…………この性格さえ直せば、きっとモテるだろうになぁ。」
西野がそんなことを言ってくるが、余計なお世話である。俺は過去の経験から、現実の女とは絶対に付き合わないと心に誓ったのだ。
「俺は2次元を愛するって決めたんだ。絶対にリアルで彼女は作らねぇよ。」
俺はこの時そう言ったが、これから起こる俺を取り巻く厄介な女たちとの生活が幕を開けることを、俺はまだ知らない。




