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転生先の異世界常識は遅れてる、そんなの守ってたら死にそうになるから見限って前世の効率的な方法を導入していきます、常識を覆して最大の成果を、そして社会もいっそ潰してしまいます、やられた分をやり返すために  作者: よぎそーと
7章 そもそもの発端となった、他人からみたらくだらないかもしれない、だけど本人にとっては重大事な出来事

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84回目 その日あった事 6

「どうもこいつはなあ」

「そうなんだよねえ」

「ああ、分かってるよ」

 そんな会話を親とご近所探索者がしている。

 それを隣で否応なしに聞かされる。



 連れて来られた探索者達の施設。

 近所にあるそこに連れてこられて、何故か探索者集団に入る事にさせられた。

 なんでそうなってんだ、と思ってる間に出て来たのが冒頭の言葉だ。

「こいつは頭で考えるからな」

「そうなんだよね。

 もうちょっと根性を見せて欲しいんだけど」

「まあ、それなら俺らで面倒見るよ」

 そんな声が続く。



 それも前々からの事だが。

 ヒロトシは近隣であまり受けがよくない。

 それも前世の考えがあるからだろう。

 度胸試しのような事を避けてるのだ。



 だいたいが子供の遊びのようなものなのだが。

 そういった事に興味を示さない。

 中身が大人というのもあるのだろう。

 そういった遊びにおもしろみを見いだせない。

 それが周りの者達には面白くないようだった。



 それが続くうちに、ヒロトシは度胸がないという評価がついてきた。

 無意味なそういった事を避けてるだけなのだが。

 どうもそれがこの世界の大人には不満なようだった。



 子供同士の喧嘩も避けてるからなのかもしれない。

 無駄な争いはしないようにしてるからだが。

 おかげで近所のガキにも舐められる始末だ。

 ヒロトシからすれば、なんであれほどけんかっ早いのか分からない。



 それが面倒なので、一度本気でやった。

 石を握って殴りつけ、目玉と金玉を狙って攻撃した。

 前世で見ていたマッサージ用のツボ押し。

 それも利用した。

 そこで示されてるツボは、だいたいにおいて人体の弱い箇所である急所でもある。

 そこを遠慮無く狙っていった。



 そして、一切手加減はしなかった。

 容赦もしなかった。

 死ぬまでやるつもりでやった。

 実際、殺してやるつもりだった。

 そこまでやらねば、大人しくならない。

 途中でやめればやり返してくる。

 決してやり返してこないようにするつもりでやった。



 そしたら、周りのガキも相手の加勢に回った。

 もとよりヒロトシ一人に複数で絡んできたのだが。

 それらも同じようにしていった。

 目を潰し、急所を狙い、石で相手を殴りつけた。

 生かして返すつもりはなかった。

 生かしておいたら、逆恨みして後日殺しに来る。

 前世の経験上、それが分かってるので、今日この日に叩き潰すつもりでやった。



 最終的に、大人が出て来て何故か怒鳴られた。

 普段、喧嘩を避けたら怒るくせにだ。

 弱虫や臆病者と言ってケチをつけるのに。

 それを徹底的にやりかえしたらこれである。

 理解不能な思考だった。



 そんなわけでヒロトシの将来を案じたのだろう。

 気を利かせて探索者集団に口をきいたようだ。

(余計な事をしやがって)

 そうとしか思えなかった。

 だが、拒否しても無駄なのも分かってる。

 一度決めたら絶対に考えを変えない。

 そういう連中だ。



(しょうがねえ)

 諦めてついていく事にした。

 いずれどこかで袂を分かつつもりで。

 それが穏便にいくかどうかは分からなかったが。

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