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転生先の異世界常識は遅れてる、そんなの守ってたら死にそうになるから見限って前世の効率的な方法を導入していきます、常識を覆して最大の成果を、そして社会もいっそ潰してしまいます、やられた分をやり返すために  作者: よぎそーと
7章 そもそもの発端となった、他人からみたらくだらないかもしれない、だけど本人にとっては重大事な出来事

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82回目 その日あった事 4

 聞いてて一番厄介だったのが、探索者集団だった。

 ヒロトシが聞くかぎり、どこもロクデモナイものばかりだった。



 だいたいが、個人の強さを誇るような話ばかり。

 どこの集団の誰が強いだとか。

 あいつはこんな事をやりとげたとか。

 そういう話が多い。

 武勇伝だからしょうがないのだろうが。

 しかし、ヒロトシが欲しいのはそういう事ではない。



 迷宮に入るにあたり、どういった準備をするのか。

 どういった支援体制をとってるのか。

 戦うにあたっての部隊編成などはどうなってるのか。

 そういう事が聞きたかった。

 だが、残念ながらそういう事を口にする者はいなかった。



 企業秘密というわけではないらしい。

 そういった事は稼ぎに関わってくるから教えないのだと思ったが。

 話を聞くうちにそうではないのが分かって来た。

 どうも、あまりそういう事を考えてないようなのだ。



 だいたいの探索者が5人から10人程度で活動してる。

 その為、それほど細かな組織作りなどが必要無い。

 それもあるのだろう。

 しかし、一定以上の規模の集団でもこれはあまり変わらない。

 全員で一斉に殴りかかるというのがほとんどのようだった。



 効果的な行動が出来るように人数を分ける。

 必要な役割分担をする。

 そういった事はあまり耳にしない。

 実際にそうした事はしてないようだった。



 ではどうやって戦ってるのかというと。

 魔力を使って能力強化。

 それで相手を蹴散らしていく。

 それだけだ。



 間違ってはいない。

 だが、それだけというのは問題だろう。

 力任せの運頼りになりかねない。

 もしかしたら、本当に運任せなのかもしれない。

 それはそれで危険に思えた。



 運も必要だ。

 それはヒロトシも認める。

 どれほど努力しても、周囲の状況次第で失敗する事もある。

 その逆にありえない成功がやってくる事もある。

 偶然だろうが、そういう事も起こりうる。

 だから運を否定するわけにはいかない。



 だが、純然たる能力や実力。

 これらを培ってないのもどうかと思う。



 聞けば、探索者に求められるのは個人的な能力だ。

 魔力で強化出来るものであるが、それれでも個人の力が必要とされている。

 集団による効果的な行動などはあまり考えられてない。



 かといった個人の能力がどれだけ重視されてるのか。

 それも疑問だった。



 確かに個人の能力が優先されている。

 しかし、それをどうやって伸ばすのか。

 どうやって成長させるのか。

 教育方法はどうするのか。

 そこについての言及がほとんどない。



 どうもそういった事も考えてないらしい。

 訓練らしい事もやってるようではあるが。

 体力増強につとめるのがほとんどだ。

 戦闘技術について余り深く考えられてないようだった。

 基本、力任せに武器を振る。

 それだけのようである。

 怪物相手だと、それで十分なのかもしれない。



 しかし、そんな戦い方で大丈夫なのか?

 心配の方が大きくなる。

 人数に任せて押し切り、敵を圧倒する。

 使う魔力もギリギリに抑え、最低限の力で倒す。

 それが基本のようだった。

 ギリギリを見極めて戦う、それが格好いい。

 そんな風潮があるようだ。

 そこに危険を感じてしまう。



 やるなら、一気に大きく魔力を使い、一気に倒した方が良いのではないか?

 相手を問題無く倒せるくらいの魔力を使って。

 それで一気に倒した方が効率は良くないか?

 そう思えてならなかった。

 消費も大きくなるが、確実に怪物を倒せる方がいい。

 それによって得られる収益が、消耗分を上回るならば。

 その方が安全に事を進められる。



 そう考えるようにもなった。

 わざわざ危険を冒す意味が分からない。



 何よりここが不思議なのだが。

 探索者の多くは、危険を自慢する傾向がある。

 どれだけ危ない橋を渡ったか。

 どれだけの危険をギリギリで回避したのか。

 そんな事を自慢げに語る。



 その部分には素直に呆れた。

 顔には出さないよう注意したが。

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