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【異世界転移】をやってみた《1》  作者: とり
 第1話 ユノ
8/92

8.武器や防具は、装備しないと意味がないよ



 ・前回のあらすじです。

『ユノが人をころす』





 ・・・・・・




 王国暦(おうこくれき) 四二〇年。

 はるの月 第三二(さんじゅうに)(にち)――。


「ユノさま」

 セレンは寝室(しんしつ)にいた。

 昨日きのう、ユノが泊まった部屋である。

 質素なベッドと書きもの机だけの、小さな空間。


「うわっ」

 ユノは飛びきた。

 血まみれになった衣類いるいは、宿屋の給仕(きゅうじ)に出したままだった。

「いきなりはいってこないで下さいよ」

「ノックはしましたが」

 入口いりぐちに立ったまま、セレンは手のこうでドアをたたく。

「失礼かとはおもったんですけれどね。カギはけさせていただきました」

魔法(まほう)とかで?」

 うっすらと、セレンが笑う。


身支度みじたくをどうぞ。着替えはこちらに」

 かかえていた衣類を、妖精ようせいおんなはユノに寄越よこした。

あたらしい服?」

異界(いかい)のファッションは目立ちますからね」

「目立つと、なにかあるんですか?」

「特には。昨日のような手合(てあ)いに、今後もからまれることをのぞけば」


 こそこそとユノはシーツにかくれて衣装(いしょう)た。

 シャツは(あさ)でできていた。

 上着は皮のジャケット。厚手(あつで)のズボンを穿いて、つまさきと(かかと)をプレートで補強したブーツをく。


馬子(まご)にも衣装(いしょう)ってとこですね」

 値踏みするようにセレンは言った。ユノは少しだけムッとする。


「……ところでセレンさん」

 壁に立てかけていた抜身(ぬきみ)(けん)を、ユノは手にった。

 ペンドラゴン王家に伝わる、選定せんていけん

 神託しんたく銅板(どうばん)から引き抜いた、勇者(ゆうしゃ)証立(あかしだ)てする、最強の(つるぎ)


「これ、ボクには(あつか)いきれないかなって……」

「なぜ?」

 ユノには答えられなかった。

「……まあ、身のほどを(おもんぱか)るのは良いことです」


 剣をセレンはった。

 無骨(ぶこつ)な木の杖――霊樹(れいじゅ)(つえ)を振って、剣をす。


「では、行きましょうか」

「どこへ?」

 廊下に出ていくセレンに、ユノは言った。

わりの武器を買いに。ひとりで探すのであれば、私は自分の用事(ようじ)のほうに行きますが」

「いえっ、いっしょに選んでもらえればと」

 あわててユノはセレンにつづく。


 王都(おうと)の街並みを、昼近くの日光(にっこう)が、あざやかにらしていた。








 〇表現ひょうげんをいくつか修正しゅうせいしました。(以下はその一例いちれいです)

  きゅう→神託の銅鏡どうきょうから引き抜いた、『勇者ゆうしゃ』を証立あかしだてする(略)

  かい→神託の銅板どうばんから引き抜いた、『勇者ゆうしゃ』を証立あかしだてする(略)



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