表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【異世界転移】をやってみた《1》  作者: とり
 第4話 おおかみ
32/92

31.橋



 ・前回のあらすじです。


 『ユノが銀色の毛をひろう』





 銀の獣毛(じゅうもう)のあった方角にユノは歩いた。

 放題(ほうだい)の草を分けてしばらく行くと、川に出る。

 近くに橋が()かっている。


(町の人たちが作ったものなんだろうな……)

 橋は木造(きづく)りで、長いあいだ放置されていた為かところどころ(くさ)っていた。

 足を置くと、ミシリ……と不安な音が鳴る。


 ユノは対岸(たいがん)に進んだ。

 渡り切る直前、板張(いたば)りの足場を()み抜いて、片足が水につっこむ。

 手すりにしがみつき、かたむいた体を引き上げる。

 ――先を急ぐ。


(……追ってこないよね?)

 ユノは橋を渡りきるなり立ち止まった。

 元来(もとき)(みち)を振り返る。


 森に人影(ひとかげ)は無かった。

 (けもの)魔鳥(まちょう)の鳴く声、(うごめ)く音だけが、生き物の気配(けはい)だった。


(でも、町長さんたちものすごい剣幕(けんまく)だったし……)

 ユノは不安だった。

 町の人たちの魔女討伐(とうばつ)に対する意気込(いきご)みは、それほどまでに鬼気迫(ききせま)るものがあった。


一応(いちおう)……念のため……)

 ユノは橋に手を構える。

 (てのひら)(ちから)を込め、【気術(きじゅつ)】を放つ。

 白い破壊光線(はかいこうせん)が、()(はし)爆砕(ばくさい)した。


「……ごめんなさいっ」

 炭化した木片が川面(かわも)に落ちていく。

 静かなせせらぎに流されて、橋は(かげ)(かたち)も無くなった。


 逃げるように、ユノは森の奥に走っていった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ