第1話 追放されたのでスローライフを始めます
こんにちは!
今回は「スローライフ」を書いてみたいな〜と思い立ち、ノリと勢いで一気に書いてみました!
ひとまず**【10日に1回】**のペースで更新していく予定です!
もし好評でしたら更新頻度をどんどん増やしていきたいと思っていますので、応援よろしくお願いいたします!
楽しんで読んでいただけたら嬉しいです!
それでは、本編をどうぞ!
「やっぱりレオンは凄いな……レオンが使う聖剣グランセリオン、やっぱりあの剣は選ばれた人しか握れないのかな?」
ルークはぼそっとつぶやいた。
勇者パーティは、難関ダンジョンのダンジョンボスを討伐しているところだった。
だがレオンはそんなことは知らないと言わんばかりの強さで、ダンジョンボスを圧倒してしまった。
『レオン、魔力使いすぎでしょ。ルナがいなかったらどうなっていたことか』
「おい、雑用。早くポーションをよこせ! 本当に使えないなお前は」
「ご、ごめん。ちょっと気が抜けてた」
「そうよ、あんたはいっつも仕事が遅いのよ! ちゃんとしなさいね」
彼女はレオンの幼馴染のミーナ、魔法使いで二つ名は絢爛たる詠唱姫、その名の通りで自分には絶対的な自信を持っている。
「ねぇレオン、私の魔法どうだった? あの火力は誰にも真似できないと思うよ?」
「あぁ、すごくよかったと思うよ」
『確かにミーナの魔法は凄い、多くの手数と火力で敵を圧倒している……けどあれを見ると何故だか凄さが薄れる気がする』
「大丈夫ですか? ルーク」
この子は勇者パーティに所属してから一ヶ月しか経っていない新人のルナ、魔力量が多いから勇者パーティに招待された。本職は回復師だけど、ポーションがあるから魔力を譲渡することになっている。たまに回復を使ってはいるが、レオンたちは戦いに夢中で気付いていないようだ。
「大丈夫だよ、いつものことだから」
「おい! お前もだぞ、新人! 早く魔力を俺たちにわたせ!」
ルナはレオンたちに少し悪態をつきながら魔力を譲渡した。
「本当に、あの人たちは……」
「ルナも大変だね」
その様子を少し遠くからタンク役のゴルドが黙って見ていた。
今日はレオンとミーナがいつも以上に魔力を使ったせいでルナの負担が大きかった。
「――っ!」
「大丈夫!? ルナ、そんなに無理しなくていいからね!?」
「だ、大丈夫です……少し魔力を使いすぎただけですから」
『明らかに大丈夫じゃないでしょ、だって戦闘中にも魔力譲渡して回復もしていたんだから……仕方ないレオンたちには内緒で自分の魔力を使ってマナポーションを作ろう、これ以上は何も作れなくなるな……』
ルークはポケットの中でひそかにスキルを発動させ、残りの魔力を振り絞って小さな瓶を一つ作り出した。これで今日の魔力は完全に空っぽだ。
ルナを心配して覗き込むと、その目は左右で色が異なるオッドアイだった。
「ルナ……その目は?」
「――!? あ、その……ご、ごめんなさい!」
ルナは慌てて自分の目を両手で覆い隠す。その手は微かに震えており、動揺を隠しきれていなかった。
「綺麗……」
「……えっ?」
ルークの不意打ちのような言葉に、心の底から驚いてつい大きな声を出してしまった。
「なんでそんな事が言えるんですか!? オッドアイですよ!? この目は『悪魔の目』って言われて嫌がられているのに……!」
「なんでって言われても、本当に綺麗だと思ったからそのまま口に出しただけだよ。ほら、とりあえずレオンたちからは見えないようにしなきゃ。幸いレオンたちには聞こえていないようだし……ほらこれ飲んで、マナポーションだよ」
ルークは、レオンたちの目に入らないよう、さっき作ったマナポーションをこっそりルナの手元へ押し付けた。
「なんで……なんでそこまでしてくれるんですか?」
「当然のことだよ。だって仲間でしょ? 困ってたら助け合わないと」
ルークは遠くで自慢話に花を咲かせているレオンたちをチラッと見やり、苦笑いを浮かべながら視線をルナに戻した。
「まあ……あいつらは助け合おうとも思ってないみたいだけどね」
「ふふっ……ありがとうございます。それと、魔力が少し戻ったので偽装が使えます。ですから、もう大丈夫です」
「だからオッドアイだって分からなかったんだ」
――ダンジョンから出てモンスターの素材をギルドに出しに行く途中ゴルドがレオンに何かを耳打ちしていたようにみえた。
その様子を見たルークは何やら嫌な予感を感じていた。
ギルドにモンスターの素材を売ってレオンの本拠地に帰った。レオンの本拠地に着いた勇者パーティはいきなり、レオンに全員が呼び出された。
レオンは少し苛ついているように見えた。
「おい、ルナ! お前は魔力量が多いからこの勇者パーティに入れた。だが、すぐに魔力切れを起こす、お前は本当に使えない、無能はこのパーティーには要らないんだよ!」
レオンがそう言うと部屋の空気が一気に重くなった。ルナはなんとも思っていないようだ、だがルークは違った。レオンの言葉に驚きと苛立ちが一気に押し寄せてきた。少しの沈黙のあとレオンは話を続けた。
「ゴルドから聞いたぞ、お前オッドアイなんだってな」
その瞬間部屋の空気が一瞬で凍り付いた。
ルナとルークは驚きと不安が隠しきれなかった。ルナは手が震えていた。
「ど、どうしてそれを、知っているんですか?」
「ゴルドが見たんだとよ……そしてルーク、お前はそれを知っておきながら俺に伝えなかったんだな。次、お前がそんなことで人を庇ったら、このパーティーを追放してやる!」
ルナは、申し訳なさそうにこっちを見た。ルークは大丈夫だよと視線を送った。
レオンは更に続けた。
「ルナ。お前はこのパーティーから追放する、オッドアイの悪魔をこのパーティーに入れておくことはできない! パーティの名誉が下がるからな!」
「分かりま――」
「おい! レオン……お前はオッドアイって理由だけで人を差別するのか?」
ルナが締めかけた言葉を遮り、ルークが怒りを込めた声で踏み出した。
「ルーク、さっき言った言葉をもう忘れたのか? 次庇ったら追放だって言ったはずだぞ」
「覚えてるさ。――でも! こんな理不尽なパーティ、こっちから願い下げだ!」
ルークは冷ややかな目でレオンたちを見下ろし、大きな音を立ててドアを思いっきり閉めた。
「悪魔の目もだ、出ていけ!」
「本当に良かったんですか? ルークがいなくなればこのパーティーは終わりますよ」
ルナの冷ややかな忠告に、レオンとミーナはバカにしたようにクスクスと笑い転げる。
「ハッ、何が終わりだ!万年不遇職の雑用と悪魔の目を持つ使えないヒーラーが消えてスッキリするぜ! 早く失せろ!」
「そうよ、負け犬の遠吠えね! ご忠告どうも〜!」
そうして、ルナもルークを追うようにレオンの本拠地を後にした。
――その後、ルークは途方に暮れていた。
『これからどうしようかな。勢いで出てきちゃったけど……でも、これからはゆっくり暮らしていきたいな……』
すると、後ろから名前を呼ばれた。驚いて振り返るとそこにはルナがいた。
「ルーク! 良かった、追いついた……ルークはどうして私のことなんかを庇ったんですか? レオンが庇ったら追放すると言った後なのに……」
「う〜ん。なんでだろう、気付いたら言ってた。多分思考よりも先に怒りがわいてきたんだと思う」
「私なんかのために……すみません」
「謝らないで、それと私なんかじゃないよ、ルナは本当にすごいよ」
「……ルークは本当に優しいんですね」
少し考えた後にルナがルークに問いかけた。
「ルークはこれからどうしたいのですか? どこか行く宛はあるのでしょうか?」
「今のところゆっくり好きな事をしていたいなと思ってるよ。幸い俺は、なんでも作れるからね」
ルークがそう言うと、ルナは嬉しそうに言った。
「では、私もついて行ってもいいですか?」
「俺はいいけどルナはいいの? ちょっと大変な旅になるかもだよ?」
「いいんです。どうせ私はどこのパーティーに入っても毎回追い出されるだけなので」
「ごめん、変な事を聞いちゃったね、じゃあとりあえず冒険者ギルドに行ってみようか、俺たち勢いで勇者パーティを抜けたから何も持ってないんだよね……少しでも稼いでおかないと」
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