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肩の高さ

転勤先のアパートは、やけにクローゼットが大きかった。

中には黒いハンガーが五本。

そのうち一本だけ、薄明かりの中で形が違って見えた。

肩から首へ続く線が、鎖骨と背骨でできているように見えたのだ。

気味が悪いと思いながらも、スーツを掛けて扉を閉めた。


翌朝、右肩が重かった。

寝違えたかと思ったが、服を脱いでも痛みは消えない。

鏡を見ると、右の肩の線がわずかに下がっていた。


その夜、ハンガーを見た。

一本だけ、肩の部分が少し膨らんでいる。

まるで中に何かが入っているように。


翌日、左肩が痛んだ。

腕を上げると、骨がこき、と鳴った。

クローゼットを開けると、ハンガーの肩が左右対称に盛り上がっていた。

触れると、温かかった。


夜、服を掛けようとして、思わず手を止めた。

ハンガーの肩の部分に、自分のほくろと同じ位置の黒い点があった。

息を呑むと、木の軋むような音がした。

風もないのに、こき、と。


今も鏡の前で、肩の高さを確かめている。

右が低い。

たぶん、あの中にある。

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