61/61
夜空のかたち
夜空は とじている
ちいさく、まるく
月のかたちを うたがうように
たしかなものは
あのポラリスのさみしさか
(あるいは 灯台か)
さざ波のあわいから
のびている
へその緒がある
波うちぎわで
しろく、ほそく 燃えている
わたしは
彗星のかけらだった
もう 触れるべきものも
欠けてしまった指先で
星座のかたちをなぞっていく
なにもたしかなものはない
ウミガラスはいつ鳴いただろう
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――